ACP ってご存知ですか? あなたにも知っておいてほしい「人生終末期医療」決定のためのガイドライン
[2019年8月 加筆修正 最新版]
はじめに
人生の最終段階つまり終末期において病気治療を開始するか、あるいはそのままにしておくかの医療のあり方の選択についての問題は、従来から医療現場で重要な問題になっていました。
厚生労働省でも人生の最終段階における医療のあり方については、過去に何度も検討会を開催し、継続的に検討を重ねてきました。
意識調査によると、 人生の最終末期における医療に関しては、国民の意識にも変化が見られることと、誰もが迎える人生の最終段階とはいいながらも、その態様や患者を取り巻く環境にも様々なものがあるようです。
そんなことから、 患者・医療従事者ともに広く賛同が得られる基本的な点について確認し、それをガイドラインとして示すことが医療の現場において役立つことになるため、厚生労働省が「人生の最終段階 (終末期) における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」という名称の指針を策定し、公表していました。
高齢者の終末期医療において本人の意志が十分に反映されていない現状を踏まえ、国は2018年3月に、この「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」にアドバンス・ケア・プランニング (ACP) という概念を新たに盛り込むことになりました。
2018年 (平成30年) 3月に改訂された最新版のガイドラインには、近年の「高齢多死社会」の進行に伴う、在宅や施設における療養や看取りの需要の増大を背景に、地域包括ケアシステムの構築が進められていることを踏まえて、近年普及しつつある医療・介護の現場における「 ACP (アドバンス・ケア・プランニング) 」という概念の、新しい解釈が付け加えられています。
本ブログでは、現在、医療の緩和ケアなど、人生の最終段階を迎えていらっしゃる患者の方およびその家族の皆様に「人生の最終段階における医療・ケア」についてより深く知っていただくために、この ガイドラインの内容をわかりやすくご紹介していきたいと思います。
目次
人生の最終段階における医療・ケア決定の基本原則
~ 自らが望む、人生の最終段階における医療・ケアについて、今のうちに
話し合っておきませんか ~
あなたは「もしも」のことを考えたことがありますか?
シニア世代に限らず、誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。
命の危険が迫った状態になると、大部分 (およそ75%) の人が医療やケアの方針を自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることが難しくなったり、出来なくなったりするといわれています。
ですから、自らが希望する医療やケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、そしてどこでどのような医療やケアを望むのかを自分自身で前もって考えて、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要なこととなります。
医療・ケアの最終段階における意思決定の重要基本原則とは
このガイドラインの中には、医療・ケアの最終段階における意思決定の基本原則が明示されています。
◯医師などの医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて、医療・ケアを受ける本人が医療・ケアチームと十分な話し合いを行って、本人による意思決定を基本とした上で、人生の最終段階における医療・ケアを進めることが最も重要な原則となること。
◯また、本人の意思はたびたび変化しうるものであることを踏まえて、本人が自らの意思をその都度示して、医療・ケアチームに支援を求め、本人と医療・ケアチームとの話し合いが繰り返し行われた結果、最適の支援が医療・ケアチームにより行われていること。
◯さらに、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族などの信頼できる者も含めて、本人との話し合いが事前に繰り返し行われることも重要になること。
この話し合いに先立ち、本人は、特定の家族らを自らの意思を推定する者として、前もって定めておくことも重要になること。
◯病院だけではなく、介護施設や在宅での最終段階医療・ケアをどのように行うかについての意思決定ができるように配慮すること。
◯医療・ケアに従事する医療・介護従事者は、人生の最終段階を迎えようとする本人および家族らを支えるために、本人・家族らの意見を繰り返し聴きながら、本人の尊厳を尊重し、自分らしく最後まで生きて、より良い最期を迎えるための医療・ケアを進めていくことが何よりも重要であること。
ACP (アドバンス・ケア・プランニング) とは何か?
ACP の定義と役割
終末期の治療方針について、患者や家族が医師らとあらかじめ話し合う ACP が
医療現場で広がっています。
ACP とは、万が一のときに備えて、自らが望む「人生の最終段階における医療・
ケアの方針」について、前もって自分自身で考え、家族や友人などの信頼する人
たちや、医療・ケアチーム (医療・介護従事者) と繰り返し話し合い、共有してお
く取り組みのことで、アドバンス・ケア・プランニング (ACP: Advance Care
Planning ) という英語の頭文字からとったものです。
これにより、命の危険が迫った状態に陥り、自分で考えたり望みを伝えたりする
ことができなくなっても、自身の考えに沿った医療・ケアを受けることができる
のです。
「アドバンス」には「前もって」という意味があり、 主に高齢者やがん患者など
が対象で、延命のための人工呼吸器や、胃に直接穴を開けて栄養を送る胃ろう、
痛みを和らげる緩和治療などを患者にわかりやすく説明し、受けたい治療や最期
を過ごしたい場所などをあらかじめ考えてもらうことが、ACP のイメージとなり
ます 。
ACP の目標は重篤な疾患ならびに慢性の疾患において、患者の意思や目標、選好などを実際に受ける医療に反映させることにあります。
ACP は健康状態や患者の生活状況が変わるごとに、繰り返し行われることが望ましいと考えられています。
ACP による話し合いの内容は、記録に残し、共有されなければなりませんし、記録された内容は必要となったときにすぐに参照できるように保存され、必要に応じて更新されるべきものとなります。
話し合いの内容を記録に残すのは、本人が望んでいない治療を家族が勝手に受けて治療を行ってしまう問題を避けることができるからです。
ただ、記録に残すのが基本ですがそれについて法的な拘束力はなく、気持ちや状態の変化に応じて話し合い、何度でも見直すことが必要となります。
ACP の取り組みが広がっている背景には、日本が「多死時代」を迎え、延命治療をするかどうか本人の意向が分からず、家族の重荷になったり医療現場が苦慮したりしている現状があります。
厚生労働省の意識調査では、自分の最期が近い場合に受けたい医療を、「家族らと全く話し合ったことがない」という人が半数以上にも上り、このことから自分にとって最良の医療というのはなかなか決めにくいものではないかと思われます。
仮に命を伸ばせたとしても、別に新たな苦しみを作ってしまう医療もあり、家族との対話の中で一番いい治療方法を探っていくことが大切なのではないかと考えます。
※追加情報 2019年3月
ACP の愛称決まる! その名も「人生会議」!
超・高齢社会を迎え、今後は自分の人生の最期を病院ではなく、自宅や介護施設で終えようとする人も増えていくことが予想されます。
本人が望む形で終末期を過ごすためには、家族や医師らと事前に何度も話し合っておくことが重要となります。
延命治療のことや葬儀のことなど、自分の終末期の希望について家族とよく話し合って意思を共有しておくことが大切だということです。
この話し合いのことは「アドバンス・ケア・プランニング ( ACP ) 」と呼ばれているということについて、この記事の中で述べてきましたが、実はつい最近、厚生労働省は、この「アドバンス・ケア・プランニング」という言葉について、もっと多くの人たちにわかりやすい、別の呼び方をしたらいいのではないかということで、 愛称を募集し、公募の結果「人生会議」と呼ぶことに決定し、普及に努めることになりました。
おそらく「アドバンス・ケア・プランニング」では長すぎるし、よく意味が伝わらないのではないか、また 省略されたACP だけでは一般の方や高齢者などには分かりにくいため、もっとふさわしい日本語での表現はないかと考えたからではないかと思われます。
そこで、家族らと事前によく話し合っておくことが大切であるというところから、「人生会議」と決まったのではないかと推測できます。
※厚生労働省 人生会議 (ACP) に関する取組状況 [PDF] ↓
でも私の個人的見解を言わせていただくと、いずれにせよ会議という言葉を使うのでしたら、どうせなら「人生終末会議 (meeting for ending life) 」でもよかったのではないかと思います。
終末期に認知症などで本人の意思確認ができなくなれば、いざという時に望まない治療が継続される懸念があります。
ですから、元気なうちから、『もし自分が病気でこんな症状になったら、そのときはこうしてほしい』と自分の意思を伝えておくことが重要で、医師や介護職の方などを交えて話し合うことにより、本人や家族の安心につながるわけです。
こうして終末期の医療について ACP =「人生会議」という愛称も決定し、話し合い・意思の共有の重要性が高まってきたわけですが、まだまだ国民の認知度が低いため、私たちFPも普及に努めていかなければならないと考えています。
ちなみに毎年11月30日は「人生会議の日」と認定されています。
人生の最終段階における医療・ケアの真のあり方とは
より良い人生の最終段階における医療・ケアには、第一に十分な情報と説明を
得たうえでの本人の決定こそが最も重要となります。
ここで言う「情報と説明」とは、主に医師などから受ける「本人の心身の状態や
社会的背景」に鑑みて、受ける医療・ケアや、今後の心身の状態の変化の見通し、生活上の留意点などのことです。
医療・ケアチームがどのようなものであるかは、医療機関等の規模や人員によって変わり得るものですが、一般的には担当の医師と看護師およびそれ以外の医療・介護従事者というのが基本の形となります。
その他にも例えばソーシャルワーカーなどが参加することも想定されますし、在宅や施設においては、ケアに関わる介護支援専門員や介護福祉士などの介護従事者がチーム関係者に加わることも想定されます。
これらの医療・ケアチーム全般に言えることは、チームは丁寧に本人の意思をくみ取り、関係者と共有する取り組みを進めることが重要です。
また、本人の意思は時間の経過や心身の状態の変化、医学的評価の変更などに応じて大きく変化する可能性があることから、繰り返し話し合いを行うことが本人の意思の尊重につながることになります。
人生の最終段階は医療・ケアチームの判断で
人生の最終段階には、がんの末期のように余命が数日から長くても2ないし3ヶ月と予測ができる場合や、脳血管疾患の後遺症や老衰など数ヶ月から数年にかけて最期を迎えるものもあります。
どのような状態が人生の最終段階なのかは、本人の状態を踏まえて、医療・ケアチームの適切かつ妥当な判断に拠るべき事がらと言えるでしょう。
緩和ケアと医療用麻薬の使用について
2007年2月、厚生労働省は疼痛緩和ケアのための医療用麻薬などの使用について適用基準を緩和し、従来よりも使用を認めるようにする措置を行いました。
緩和ケアとは、がんなど生命を脅かす病気の患者と家族に対して、痛みなどの身体的・精神的な苦痛や社会生活上の不安などを和らげる医療やケアのことです。
終末期に限らず、早い段階から治療と並行して行うのが良いとされています。
また、医療用麻薬とはモルヒネやオキシドコンなどのオピオイド鎮痛薬のことで、痛みがひどい場合には適切な治療のために適量を使えば、がんの痛みなどはほぼ取り除くことができます。 全国どこの地域や病院でも患者が痛みに苦しまなくて済むように、医師は医療用麻薬を早い段階で使うことをためらってはいけません。
疾患に伴う耐え難い肉体的苦痛は緩和ケアによって解決すべき重要な課題となります。 医療的な見地から、肉体的苦痛を緩和するケアをより一層充実させることが何よりも必要なことになります。
また可能であれば、医療・ケアチームには、ソーシャルワーカーなど社会的な側面に配慮してくれる人や、ケアに関わる介護支援専門員や介護福祉士などの介護の専門家が参加してくれることが望ましいことといえます。
人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続き
1 本人の意思確認ができる場合
方針の決定は、本人の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師などの医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが必要で、そのうえで本人と医療・ケアチームとの間で十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本として、最終的に医療・ケアチームとしての方針の決定を行います。
このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとします。 話し合った内容を文書にまとめるにあたっては、医療・介護従事者からの押しつけにならないように十分に配慮をしなければなりません。
2 本人の意思確認ができない場合
本人の意思確認ができない場合には、次のような手順で医療・ケアチームの中で慎重な判断を行う必要があります。
家族らが本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、家族らによる意思をもって、本人にとっての最善の方針をとることを基本とします。
家族らが本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族らと十分に話し合い、家族らによる意思をもって、本人にとっての最善の方針をとることを基本とします。
この場合、時間の経過や本人の心身の状態の変化、医学的評価の変更などに応じて、このプロセスを繰り返し行います。
また家族らが誰もいない単身者の場合、および家族らが判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、医療・ケアチームの判断をもって、本人にとっての最善の方針をとることを基本とします。
このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておき、家族らと医療・ケアチームとの間で共有しておくことが、本人にとっての最善の医療・ケアの提供となります。
※家族らとは、今後単身世帯が増えるであろうことも想定し、本人が信頼を寄せ、人生の最終段階での本人を支える存在であるという趣旨ですから、単なる法律上の親族関係のみを意味するものではありません。
むしろ、より広い範囲の人、例えば親しい友人などを含みますし、複数人存在することも考えられます。
本人が自らの意思を伝えられない状態になった場合に備えて、特定の家族らを「自らの意思を推定する者」として前もって定め、その者を含めて本人のこれまでの人生観や価値観、どのような生き方や医療ケアを望むのかを含め、日頃から繰り返し話し合っておくことにより、本人の意思が推定しやすくなります。
その場合、本人にとっての最善の利益とは何であるかについて話し合い、合意を形成しておくことが必要となります。
3 繰り返し話し合っても意見がまとまらない場合
・本人と医療・ケアチームとの話し合いの中で、医療・ケアの内容についての
合意が得られない場合
・家族の中で意見がまとまらない場合
・家族らと医療・ケアチームとの話し合いの中で、医療・ケアの内容についての
合意が得られない場合
・本人の心身の状態などにより、医療・ケアチームの中で、医療・ケアの内容についての決定が困難になった場合
これらの場合には、複数の専門家からなる話し合いの場を別途に設置し、医療・ケアチーム以外の者を加えて、方針などについて検討し、助言をしていただくことが必要となります。
医療現場での ACP の取り組み
現在、8割近い人が病院で最期を迎えているという現状から、 ACPに力を入れる病院も増えてきています。
ある民間病院では、入院患者が対象だった ACP の相談受け付けを、外来患者にも拡げたところ、終末期医療に関する相談件数が倍増したそうです。
早い段階で ACP を行うことが、いかに効果的であるかということが証明された結果になりました。
厚生労働省も医療現場での ACPへの取り組みが重要であるとして、相談体制づくりに乗り出しています。
過去に全国15ヶ所の医療機関でACP のモデル事業を実施したところ、意思決定支援を受けた患者・家族の7割が、希望が尊重されたと評価しています。
そのため今では、全国で200箇所以上の医療機関に対象を広げ、 ACP に取り組んでいます。
終末期医療 「事前指示書」作成のすすめ
希望に沿ったケアを受けるためにも、患者自身が終末期医療の方針を示す「事前指示書」を作っておくとよろしいかと思います。
胃ろうなどの経管栄養を利用するか、人工呼吸器を着けるか、気管切開をするか、人工透析を受けるか、昇圧薬を投与するか、蘇生術を受けるかなど、それぞれの終末期医療行為を希望するか希望しないか、自分の意思を明確にしておくことが大切です。
要するに、「延命治療をするのか、しないのか」の最初の決断の意思を決定するということなのです。
厚生労働省が『人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン』を改定したことは先に述べましたが、2018年4月の医療報酬改定でも、患者から「事前指示書」を取得した医療機関に対しては医療費を加算するという報酬を与えて、「事前指示書」作成の普及を進めています。
ただ、人の気持ちは変わるものですから、指示書を書いたときと実際に医療を受けるときとでは、医療に対して望むものが変わることもあります。
一度書いたら、必ずその通りにしなければいけないものではありませんが、大切な肉親が望む形での最期を迎えるためにも、「事前指示書」を書いておいてもらうのも一つの方法だと思うのです。
※2019年8月20日 加筆修正分
人生会議 (ACPの別称・愛称)
年間130万人以上が亡くなり、多死社会とも言われる現代日本。
過去10年間に家族などを看取った5~60代の男女1000人に聞いたアンケート調査の結果
『自身の人生の最終段階について決めておきたいことは?』 の質問に対し
・終末期医療・延命治療について 53.2%
・葬儀や墓について 38.6%
・金融機関などの処分や相続について 37.7%
・家や土地などの処分や相続について 31.5%
・人生の最終段階を過ごす場所について 30.6%
という結果となり、人生の最期に受ける治療のことに一番関心があることがわかりました。
厚生労働省が普及・拡大を目指している、その名も「人生会議」
これは人生の最終段階でどのような医療やケアを望むか、
前もって家族や医師などと繰り返し話し合い,共有しておく取り組みのことです。
自分が望む形の最期を迎えるために必要なこととは何なのでしょうか?
「人生会議」で話し合うこと 6つの項目
終末期医療の話といえば、今までは延命治療をするのか、しないのかということだけが語られてきましたが、これからの時代はそれだけではありません。
- 病状が進んだ場合どんなことが一番大切か? 本人の価値観を知っておく
- 今後の病状に関して一番怖くて心配なことは何か?
- 今後の病状について考えるとき最も力づけてくれるものは何か?
- あなたのこれからの人生にとって大切で、生きていく上で欠かせないと思われることは何か? つまりこれができなくなったら生きていくことなんか考えられないということは何かということ (例えば、食事すること、会話すること など)
- 病状が進んだ場合、余命を延ばすためにどの程度の治療ならばたとえ苦しくてもやっていきたいか?
- 家族はあなたの希望や大切にしたいことをどの程度知っているか?
患者の希望で治療の内容も変わってきます。
できたら本人と家族で納得して一つの方向に向かうようにするのが良いでしょう。
(もちろん医療従事者も含めて)
だからできる限り話し合いを続けるようにすることが大切です。
本人の死生観、考え方、価値観が前に出てくるようにすること、
人生の最期の段階は受け身ではなく、自分で決めていくということが大事です。
本人(患者)と意識の共有をすること、
それが本人の意思に沿わない看取りをしないために大事なことです。
※これからの治療・ケアに関する話し合い アドバンス・ケア・プランニング
(厚労省HP上のパンフレット 神戸大学・木澤教授 監修)
自分が今生きていて大事にしていきたいことを記録・メモしていくものです。
人生会議で話し合ったことはできるだけ記録しておくことが望ましいので、
日記のような感じで記入しておけます。
このパンフレットには質問が書かれたページがあります。
自分の考えを書いて記録しておきましょう。
Q: 病状の悪化などにより自分の考えを伝えられなくなった場合にしてほしいことは何ですか? 治療やケア、そしてこれだけはしてほしくないという治療やケアにはどのようなものがありますか? 具体的に考えてみましょう。
A: 記入例 点滴は受けたい。 痛みや辛さがなければできるだけケアは受けたい。
お風呂はできるだけ入れて欲しい。 下の世話をされたくない。
好きな音楽を流してほしい。 ひとりにしないで欲しい。 入院するのは嫌だ。など
最後に
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスにおいては、何より本人が自分の最期をどうしたいのか、本人が望む通りの方針の医療・ケアになるように、本人と家族と医療・ケアチームとがよく話し合うことが大切です。
また、家族の誰が、どこまで介護を担い、費用を負担するのか、事前に考えておくことも重要です。 親も子も意思が伝えられなくなる前に、どこで最期を迎えたいのか、医療や介護はどうしたいのかを事前に話し合っておくことが大切だと思います。
人生会議 (=ACP) で話し合うようにしてみましょう。
ただし最後に一言申し上げたいことがあります。
このような取り組みはあくまでも個人の主体的な行いによって考え、進めていくものです。 本人が自分の最期のことなど知りたくない、考えたくないと言うのであれば、無理に進めることはできません。
そのような方も大勢いらっしゃいますので、無理に ACP を進めることはしないで
ください。 十分な配慮が必要になります。 どうかお願い致します。
※このブログは、厚生労働省が発表した「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2018年改訂版) を基にして、ファイナンシャルプランナーである筆者が内容を一部抜粋し、わかりやすく書き直し、読者の皆様に紹介させて頂いたものです。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」
ホームページ(PDF)はこちらからご覧いただけます。
ACP ってご存知ですか? あなたにも知っておいてほしい「人生終末期医療」
決定ガイドライン 終わり