金融詐欺に合わないために 怪しい金融商品の見分け方と騙しの手口を追究する
[2019年3月 追記補正 最新版]
はじめに
今回は一人暮らしの高齢者などを狙う怪しい金融商品のトラブルに巻き込まれないために、金融詐欺師たちの手法を追究し解説していきます。
私たちファイナンシャルプランナーが金融商品で騙されないための鉄則をご説明致します。
高齢の親を持つすべての方たちに読んでいただけると嬉しく思います。
目次
金融詐欺に合わないために 怪しい金融商品の見分け方
仮想通貨マイニングにみる、悪徳金融業者の騙しの新しい手口
金融商品のトラブルは後を絶ちません。 悪徳金融業者たちは毎年懲りもせずに
常に新しいやり方で詐欺の手口を考え、善良な一般市民を騙してきます。
最近話題になったことといえば、インターネット上での仮想通貨のマイニング
(採掘) を勧誘するトラブルがありました。
利益を得られるとうたって他人のパソコンやスマートフォンを勝手に使い、ビット
コインなどの仮想通貨を入手するマイニング=採掘と呼ばれる作業を行わせることが急増しています。
これは完全な詐欺ですからうまい話に安易に乗ってしまったら最後、お金は戻ってきませんし、知らないうちに犯罪行為に加担してしまう恐れもあります。
頭のいい詐欺師たちは常にこうした新手の手法を考え出して、私たちを騙しにかかってくるということを改めて肝に銘じる必要があります。
うまい投資話には絶対に引っかからないこと
うまい投資話には絶対に引っかからないでください。
それらは間違いなく詐欺です。
失敗すると大変大きな痛手を被ることになります。
金融商品の投資というのは普通は少額では済みませんし、しかもできれば投資したお金をより多く増やして将来に備えたい、という狙いがあって資金を投じるわけですから、投資の失敗で財産の大部分を無くしてしまうというようなことにでもなれば、その方のその後の人生にとって大きな痛手となるわけです。
金融詐欺商品に引っかかるということは決して他人事ではありません。
いつ何時自分の身に降りかかってくるか分かりませんので、自分のこととして考えてみて下さい。
一向に被害の減らない、いやそれどころか年々被害額が増えているオレオレ詐欺 = 特殊詐欺のことを考えてみて下さい。
あれだけテレビや新聞などのマスコミを通じて頻繁に注意を促しているにもかかわらず、依然として詐欺師たちに騙される高齢者の方が後を絶ちません。
金融商品詐欺も同様です。
金融商品詐欺師たちの手口と騙される心理
元々詐欺を働こうとする悪徳業者ほど、販売促進用のパンフレットや、ネット上の
ウェブサイトはしっかり作り込んでいて、私たちの気を引くために華やかなセミナーイベントを何度も開いたりしています。
嘘であることを見破られないようにすることに全力を注いでいるのです。
騙された人は「商品の仕組みについて理解したつもりだった」とか、営業マンの
ことを「この人なら信頼できると思った」などという言い訳を必ずします。
自分が騙されたことが恥ずかしくてならないので自分を正当化するわけです。
絶対に私が騙されるはずはないという心の隙間を、心の中の奢りの部分を、巧妙な詐欺師たちはついてくるのです。
悪質な金融商品をあなたに熱心にアプローチしてくる営業マンは、売り手として
商品の欠陥を知り尽くしているだけに真剣さをアピールして、その怪しい商品の
商品性を隠そうとしていると思われます。
ですから営業マンの性格や人柄にほだされて商品を購入してしまうことはとても
危ないことです。
そもそも営業マンの性格や人柄によって、その金融商品の運用利回りを高めたり
してくれるわけではありません。
特に一人暮らしの高齢者の方は十分に気をつけて下さい。
金融詐欺商品を購入させられるの被害者はほとんどは一人暮らしの高齢者であると
いう厳然たる事実を私たちは認識しておかなければなりません。
これが怪しい金融商品のキャッチフレーズだ!!
「安全」「確実」「高利回り」という3つのワードの組み合わせは怪しい金融商品にほぼ確実についてくる定番のキャッチフレーズと言ってもいいでしょう。
「安全確実で元本割れがない」こんなキャッチフレーズで攻めて来られると私たちはついつい興味を持ってしまいます。
私たちにとって最も嫌な元本割れがないことはとても魅力的なことのように感じさせてくれるのです。本当に上手く心理をついてくるものです。
その上利回りが高いとなればこれ以上の条件はないように思えます。
この3つのキーワードの他にも何やら「金融工学」の技術が生かされているとか、将来有望な投資商品ですとか「ローリスク・ハイリターン」の商品ですとか、注意しなければならないフレーズが出てきたら要注意です。
詐欺商品だと思って間違いないでしょう。
本当に安全確実で高利回りなら他人に売るはずがありません。
それでもなお安全・確実と高利回りの両立を信じて詐欺的な金融商品に騙される人が後を絶ちません。 ではそうならないためにはどうしたらいいのでしょうか?
詐欺話に引っかからないためにどんな対策をしたらいいの?
こうした金融詐欺商品に絶対に引っかからないための最も有効な対策ってあるの
でしょうか? もちろんあります。
当たり前のことですけれども、まず第一に少しでも怪しさや胡散臭さを感じた時はすっぱりと話を打ち切ることが大事です。
どんな断り文句を使ってでも、これ以上一切話に乗らないということを明確に態度で示して下さい。
また商品の仕組みなどちょっとでもわからないことが残っている場合は絶対に契約しないことです。
一旦話を聞き始めてしまうと、中断することは今までの時間が無駄になったような気がしてなかなか決断できないものです。
しかし勇気を出して「もう少し考えます」と言って間をおきましょう。
このままずるずると相手のペースに乗せられて契約をしてしまうようなことだけは決してないようにしてください。
詐欺師たちの強引な圧力に屈せず、断る勇気を持ってください。
断るということは、投資話に手を出さなかったために儲けるチャンスを逃したと
いうことになるかもしれませんが、手を出さなければお金を失うことは絶対に
ありません。 手を出さないことも大事な投資戦略と考えておきましょう。
投資話で失敗しないための対策 多額の資金を投入しないこと
金融詐欺トラブルのニュースを見ると被害者のほとんどがなけなしのお金をつぎ
込んでしまい、「老後のお金が全部なくなってしまいました」と、涙ながらに
訴えています。
怪しい金融商品に多額の資金をつぎ込むことは大きな過ちですので、絶対にやら
ないでください。
どんな状況であってもとにかく財産のすべてを投資につぎ込むことだけは絶対に
止めましょう。
仮に退職金を投資につぎ込むとしても、最高でもその20%程度に留めておけば、
残りは大切な老後の財産として守ることができるわけです。
もしあなたが金融詐欺商品を見分けることが難しいとしたら、絶対に買わないと
いう判断か、買うとしても資金のごく一部を利用して投資するか のどちらかに
してください。
あなたの財産の全部をつぎ込む、というような愚かな行いだけは絶対に止めて
ください。 その判断が最後にはあなたの財産を守ってくれることになります。
金融詐欺被害に会わないための心得
1. 普段からお金の勉強しておくこと
高齢者が金融詐欺の被害に会いやすいのは、お金に関する知識不足も理由の一つではないでしょうか。 そもそも大した知識がないのですから、いきなり難しいことを始める必要はありません。
今まで金融商品に全く興味がなかった方たちが60歳、70歳代になって突然、さあ金融商品を検討しましょうと言われても、戸惑うだけかと思われます。
まずは節約、家計の見直し、保険の見直しなどから始めて、少しずつお金の知識を増やし、慣れていくことが大切だと思います。
2.「この世にうまい話は絶対ない」と強く念じておくこと
人間というのは欲深いもので、この世にうまい話なんかあるわけないと思ってはいても、いざうまい話を目の前にした途端、コロッと忘れてしまうものです。
まず騙されないようにするための心構えとしてそれぐらいに思っておきましょう。
また、万が一詐欺師たちと電話で話すことになってしまった場合、騙されないように「お金のうまい話には注意 !」と書いたメモを電話機のそばに貼っておくようにしたらよろしいかと思います。
3. 「話がうますぎる」「決断を急がされている」と感じたら、
すぐに警察や金融庁に相談をすること
「なんだかちょっと話がうますぎる気がする」「決断までの期間が短く、焦らされている気がする」などと感じたら、 早急に結論を出すことはせずに、公的機関の相談窓口がありますので、こちらをしっかり利用するようにしましょう。
詐欺師たちは警察や金融庁の職員を名乗る場合もありますので注意が必要ですが、こちらから警察などに問い合わせをするのなら大丈夫です。 ただし、決して電話をかけてきた相手が言った番号に電話をかけてはいけません。
金融庁 金融サービス利用者相談室 05700-1681
警察 警察総合相談電話 #9110
4. 投資で人生を何とかしようなんて思わないこと
騙されやすい人は「投資で大きく儲けてやろう」という気持ちが心のどこかにあるのかもしれません。
でもそれは大抵の場合、現実を無視した幻想に過ぎません。
お金についての知識を積み、知恵が充実してくれば自ずと、お金を増やすことのノウハウが分かるようになってきます。
その時が来たら考えればよいことです。
参考資料
◎怪しい投資勧誘に騙されないように金融庁では小冊子を作って配布しています。どうぞこちらもご覧になってください。
→未公開株等の被害に会わないためのガイドブック ( PDF / 金融庁 )
→リーフレット こんな「うまい話」にご用心 ! ( PDF / 金融庁 )
※金融庁では詐欺投資についての注意を促しています。
こちらのサイトもご覧になってください。
最後にもう一言 まとめとして
詐欺師たちは常に最新の詐欺商材を用意して騙そうとしてきますので自分には理解できないことが少しでもあれば絶対に手を出さないでください。
毅然とした態度で断るという勇気を持ってください。
あなたが思っている儲けたいという欲の気持ちが実はあなたにとって最大の敵
なのです。
最終的には、あなた自身の財産を守ってくれるのはあなた自身の冷静な判断だけ
なのです。
金融詐欺に合わないために 怪しい金融商品の見分け方と騙しの手口 終わり