成年後見制度を巡る問題 その2 嬉しいお知らせ!! 就業制限撤廃・欠格条項全廃へ!!

はじめに
今回もまた成年後見制度を巡る、ある問題とその動向について、ファイナンシャルプランナーである筆者が最新の情報をお届け致します。

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目次

成年後見制度をめぐる問題 その2 後見人が付いても働けるようになる
動きがあるのをご存知ですか?

成年後見制度は判断能力が不十分な認知症の人や知的障害者らの社会的弱者高齢者などの権利や財産を守る制度で、2000に導入されましたが、今までの利用者は約21万人にとどまっていました 。

今までは、それまで普通に何の制約もなく仕事ができていた人たちでも、ひとたび成年後見制度を利用して後見人が付くようになってしまうと国家資格による業務営業許可が必要な業務また公務員など 合計 約190の法律に規定されている仕事ができなくなっていました。

つまりどういうことか、わかりやすく言いますと、今まで普通に仕事をしていた人でも、一度認知症を患ったり、知的障害者になったりして後見人さんのお世話になってしまうと、ほとんどすべての職種でそれまでの仕事ができなくなってしまうということだったのです。

それはなぜかと言いますと、認知症などになってしまうと、知能や判断能力が劣るようになると断定されてしまうため、信頼性や業務の遂行に影響があるとみなされて、それぞれの職種を規制する法律の中で、欠格事由として、後見人らが付いた場合は就業ができなくなると一律に規定されていたからです。

欠格事由というのは、仕事をする資格を失う理由のことで、職種ごとに法律で決められているものです。 いわゆる “就業制限” です。


このような過度の就業制限があったことが、成年後見制度の利用をためらわせている理由になっていたのです。
それが今までの利用者約21万人という数字に表れているのです。

嬉しいお知らせ!! 就業制限撤廃欠格条項全廃へ!!

政府はこれらの欠格条項があることによって障害者等の権利を侵害し、成年後見制

度の利用も阻んでいるとして、成年後見制度を抜本的に見直す方針を固めました。

それぞれの法律の欠格条項を見直し条項を削除して就業制限の撤廃しようとする

新しい法律が今国会に提出されてい ます。

そして、法律が成立した後は2019年5月まで全ての法律の欠格条項を全廃する

とになっています。

ちなみに後見人などが付くと就業できない業務や資格の例として、すべての公務員と、ほとんどすべての国家資格保有者による業務社会福祉法人・学校法人・NPO法人などの法人役員、 運転代行業や探偵業などの営業許可による業務などが挙げられます。

その他の法律では「会社法」による取締役、「一般社団法人・一般財団法人に関する法律」による役員などがあります。 

これはもう法律によって規定されているほとんど全ての職種・業種と言ってもいいでしょう。
普通の一般人だった人に後見人らが付くと、ほとんど全ての職種・業種で就業ができなかったと言っても過言ではないのです。

そんな人権無視も甚だしかった就業制限ですが、時代の流れとともにここへきてやっと撤廃されるという動きになってきたのです。喜ばしい話ではありませんか。

今回の政府による欠格条項を全廃しようという動きには理由があります。

実はきっかけとなった裁判があったのです。

 裁判についてのお話です。専門的で難しい話だと思いますが、ちょっとの間
我慢してお付き合い下さい。

2017年2月、軽度の知的障害を持つ岐阜県のある男性が成年後見制度を利用して、ある障害者支援団体を保佐人として指定したのですが、保佐人を付けたことによって、警備業法欠格事由に当たるとして警備の職を失ってしまったのです。

男性は警備会社に警備員として勤務していたのですが、警備業法では「保佐人が付く人間は警備員となってはならない」また「警備業者も保佐人がつく人間を業務に従事させてはならない」と規定しているためでした。

男性はこれに納得せず、成年後見制度利用者の就業を認めない警備業法の規定は職業選択の自由を保障する憲法22条に違反するとして国に100万円の損害賠償と警備会社に対し社員としての地位確認を求める訴訟を2018年1月に起こしたのです。

男性側は「財産管理能力と警備の仕事に必要な能力には関連性がない。権利の侵害である。」と主張していました。

ついに欠格条項の削除が認められることに!!

この出来事に関し内閣府の有識者委員会は2017年12月財産管理に必要な能力と

仕事に必要な能力とは質的に異なると指摘し、職業や資格ごとに個別に審査する仕

組みに改める様に国に求めました。

これを受けて政府は今年2018年3月約190の法律後見人等が付くと就業できな

いという今の欠格条項の規定を削除する法案提出したという訳なのです。

この法案の成立はほぼ100パーセント間違いないものと見られており、これからは成年後見制度により後見人や保佐人を付けた人たちも、法律によって就業制限されるようなことはなくなり、堂々と胸を張って今までどおり働けるようになるのです。

これでやっと、今まで障害者らの権利を侵害し続けてきた、悪しき「欠格条項」が廃止されることになるのです。

私にとってかなり嬉しいニュースだったので、書かせていただきました。
こんな難しい話に最後までお付き合い下さいまして本当に有難うございました。

成年後見制度を巡る問題 その2 嬉しいお知らせ!! 就業制限撤廃・欠格条項全廃へ! 終わり

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