令和「高齢者受難の時代」だからこそ “金融リテラシー” で知識武装せよ!

令和「高齢者受難の時代」だからこそ “金融リテラシー” で知識武装せよ !

[2019年9月 加筆修正 表題変更 最新版]

はじめに

元号が変わって「令和時代」になったばかりだというのに、今の高齢者・シニア世代が置かれている立場は、あらゆる面で「高齢者受難の時代」を象徴しているのではないかと感じられることが多いと思います。

何が受難なのか? それは高齢者が様々な形で社会の重荷 = お荷物厄介者になっている現状があるということなのです。

例えば、真っ先に頭に浮かぶのが最近特に社会問題化されている高齢ドライバーによる暴走事故」問題です。 

車を運転すれば高速道路を逆走したり、アクセルとブレーキを踏み間違えて歩行者を撥ねたり店舗に突っ込んだりして大事故を起こします。

そして世間から「早く免許を返納しないからこんなことになるんだ。
老人は運転なんか止めろ」と厳しい非難を浴びています。

かと思えば、家では50代になった “引きこもり” の息子が80代の親の年金を頼って部屋に引きこもり、親への家庭内暴力事件を起こしたり、外に出て何かの犯罪を犯したり、あるいは耐えられなくなった親が子どもを手にかけて死なせるというような悲劇も起こっています。
( 中高年ひきこもり問題  8050問題 )

今やそのようなところまで親子ともども追い詰められているのです。 

また、高齢者が客の立場で小売業や流通業の店員や従業員たちに対して執拗なクレームや暴言、無理難題を突きつける悪質な行為、いわゆるカスタマーハラスメント (カスハラ) を行う、通称「暴言老人・暴走老人」が増えているということも問題です。
高齢者でカスタマーハラスメントを行う人たちは「シルバークレイマー」と呼ばれて社会からの嫌われ者になっています。 

ただ残念なことに、このようなシルバークレーマーの人たちは、自分がカスハラ行為を行っていることに気が付いていないということが多いのです。

また高齢者が犯罪の被害者になる場合もあります。

昔から多いのがオレオレ詐欺 = 特殊詐欺などの詐欺被害者になることです。
もう何年も前から気をつけるようにマスコミなどを通じて言われているにも関わらず、依然として高齢者が被害に遭う件数が減ることはありません。
もちろん詐欺師がずる賢くなり犯罪が巧妙化しているということもありますが、それにしても高齢者はなぜ何度も同じような被害に遭うのか非常に不思議で嘆かわしく、残念でなりません。

他の高齢者が被害にあったことを反面教師にして、その手口を覚えておき、明日は我が身に降りかかるかも知れないと予防線を張っておくことは決して難しくはないと思うのですが、やはり認知能力や判断能力が低くなってしまうと難しいことなのでしょうか?

長寿を祝う社会 そんな時代の終焉が近づきつつある


ご覧のように、高齢者はある時は社会の問題児であり、ある時は加害者であり、またある時は被害者でもあります。

こうして高齢者が様々な形で社会の重荷になってしまっている現状があります。

高齢者人口の著しい増加がこの国の社会全般に様々な物理的変化をもたらしている現在では、高齢者を取り巻く社会の眼そのものが変わっていくのは避けられないことなのかも知れません。

私たち日本人は世界有数の長寿社会を迎えています。 かつての日本では長生きすることはめでたいものとして崇めてきましたが、それが今では根底から変わり始めているのかも知れません。

◎判断能力・運動能力が低下しているのにつまらぬプライドを捨てきれずに暴走事故を起こす高齢者ドライバー

◎ずっと以前から社会問題になっていて、マスコミで注意喚起されているのに相変わらずオレオレ詐欺などに引っかかる高齢者

◎介護施設で職員から虐待を受ける高齢者

◎セクハラ・パワハラ・カスハラ、あらゆるハラスメントを悪気なく平然と行う高齢者

◎ネットリテラシーがないのに分かったふりをしてコンピューターを使う高齢者

◎金融リテラシーがないのに知ったかぶりをして金融詐欺商品を買わされる高齢者

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 高齢者受難の時代 そんな時代を象徴する介護問題

高齢者受難の時代を象徴するものは前文に掲げたものだけではありません。

まずは介護関連の問題です。 

親などの介護に伴い発生する介護離職問題、高齢者による介護職員へのパワハラ・セクハラ問題、そして高齢者虐待被害問題などがすでに大きな社会問題となっています。 

介護ハラスメント問題

私は以前このブログにおいて介護現場におけるハラスメントが横行しているという問題があることを取り上げたことがあります。

記事タイトル
介護職のハラスメント被害と介護職による高齢者虐待 やりきれない気持ちになる負の連鎖 

近年、介護現場では利用者やその家族等による介護職員への身体的暴力や精神的暴力、性的嫌がらせ (パワーハラスメント・セクシャルハラスメント) などが少なからず発生していることが様々な調査で明らかとなっています。

これは介護サービスが直接的な対人サービスであることが多く、利用者宅への単身での訪問や利用者の身体への接触も多いこと、訪問介護職員が女性である割合が高いこと、生活の質や健康に直接関係するサービスであるため簡単に中止できないことなどと関連があると考えられます。

そこで厚生労働省は今年 (2019年) 介護職員に対する利用者やその家族からの暴言や暴力などハラスメント行為を防ぐため、「介護事業者向けのハラスメント対応マニュアル」をまとめ、公表しました。

そのマニュアルの内容は、相談窓口の設置や研修の実施など介護事業者の取り組みや、ハラスメント行為が許されないことを利用者らにも丁寧に周知することの重要性を強調するものになっています。

マニュアルではハラスメント行為が起きた時の初動対応や、再発防止策などを具体的に決めておくことを推奨しています。

事業者向けマニュアルで示された対応の例
  • どんな行為がハラスメントに当たるのかを利用者らに適切に説明する。
    禁止事項などを読み上げて説明し、わかりやすい表現を用いて繰り返す
    など、伝え方を工夫すること。 
  • ハラスメントがあった場合の対応 (契約解除など) を契約書面に明記しておく
    こと。
  • ハラスメントを未然に防止するために担当者を固定化せず、複数人で介護
    するなどシフトを工夫すること。
     また職員の個人情報を利用者へむやみに伝えないこと。 
  • 職員が被害を相談しやすい窓口を設置し周知すること
  • ハラスメントの事例を共有し、そのときの適切な対応などを考える研修を
    実施すること。

以上のように事業者が適切に予防策や対応を実施できているかを確認するのに役立つマニュアルとなっています。

介護職員へのハラスメント被害を放置すれば、離職者の増加などで介護現場の人手不足がさらに深刻になりかねません。

厚生労働省はこの対応マニュアルを通じて全国の介護事業者が被害防止に向けた体制整備に役立ててもらいたいという考えのようです。

※「介護現場におけるハラスメント対応マニュアル (PDF版)」をご覧いただくにはこちらへアクセスしてください →   介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

介護施設 高齢者虐待問題

介護職員が利用者からハラスメントを受けることと全く逆の問題として捉えられているのが、介護施設での介護職員による高齢入居者への虐待問題です。

最近も某老人ホームで虐待が疑われる死亡事件が発生し、元介護職員が逮捕されました。
老人ホームなどの介護の現場では職員が日常的に過重なストレスを抱えており、しばしば入居者への虐待が問題になっています。
高齢者施設職員らによる虐待は年々増え続けており、昨年度は前年より12%も増加し過去最多を更新しました。

これは介護現場における深刻な人材不足が背景にあると言われています。
過密勤務で職員の負担が重くなっており、心の余裕がなくなって感情が荒くなっていることが原因ではないかと考えられています。 

高齢者が人生のゴールに向けて穏やかな日々を過ごすはずの施設での虐待は果たして防げるのでしょうか。

そしてもう一つ。 この高齢者虐待問題の最大のポイントが、被害者の大部分が認知症を患っている人たちであるということです。

昨年度の虐待の被害者のうち実に82.2%の人に認知症があったのです。 

利用者が認知症になると介護職員とコミュニケーションを取ることが難しくなり、さらに職員が知識や経験の乏しい人であれば利用者と意思の疎通ができないことにイライラし、感情を抑えることができずに虐待に走ってしまうのではないかと指摘されています。

実際、認知症の方を介護するということは非常に難しく、認知症が進むにつれ暴言や暴行は日常茶飯時になります。(もちろん人によりますが)

老人ホームなどの入居者の中には、普通の方でも「お金払っているんだから」と、割と横柄で職員を見下すような態度を示す方たちがおりますが、認知症の方は更にそれに輪をかけてひどい言動をするようです。

つい最近も横浜市のデイサービス施設で介護士の男が90歳の高齢入居者を殴って重症を負わせたとして逮捕されましたが、容疑者は取り調べに対して次のような犯行の理由を述べています。

相手からの暴言を我慢していたが、怒りが頂点に達して殴ってしまった」  

介護職員だって一人の人間です。 いくら相手が認知症だからといって、あまりにも酷い暴言を吐かれたらさすがに忍耐の限界を超えることもあるのではないでしょうか。
身体的弱者である高齢者を殴ることは決して許されない行為ではありますが、気持ちは分からないでもありません。
認知症だから酷い暴言を吐くのは仕方がないことではないかというわけにはいかないのです。

施設側・職員側が泣き寝入りをすることはありません。
入居する時に本人とその保護者の方には「介護職員への暴言等については断固たる態度で接します」とはっきりと申し上げておき、契約書にも明記されておいたほうが良いと思います。 

私は以前のブログで、介護職員が介護施設で高齢入居者を虐待するのは、入居者から暴言・暴行などのハラスメントを受けているからではないか?という疑問を投げかけたことがありましたが、やはりこの利用者のハラスメントと介護職員による虐待の間には紛れもなく関係性があると考えざるを得ないという結論に至りました。

それらは負の関係であり、負の連鎖が続くのはある程度やむを得ないことなのではないかと今は考えています。

ネットリテラシーと金融リテラシーが不足している高齢者

ネットリテラシー不足問題

そしてもう一つ最後に問題提起したいのが、高齢者にネットリテラシーが不足しているという問題です。

「ネットリテラシー」とは情報ネットワークを正しく利用することができる能力のことです。

インターネットを正しく使いこなすための知識や経験や能力、それがネットリテラシーです。

ネットリテラシーが不足している人のことを情報弱者 (情弱) と言います。 

ネット上の情報の正確性を正しく読み取り、情報の取捨選択や適切な対応ができること、ネット上のニュースの信憑性を正しく素早く判断すること、電子商取引に正しく対処できること、利用料金や利用時間に配慮できること、プライバシー保護やセキュリティ対策を講じられることなどを指します。

残念ながら高齢者の方たちにはこのネットリテラシーが相当不足しているのです。

ネットリテラシーが不足したままインターネットや SNSなどを利用していると、不適切な プライバシーの公開や個人情報の流出、著作権や肖像権の侵害、コンピュータウイルス感染による迷惑メールの送付行為など、自らが被害を受けるだけでなく、故意でなくとも加害者になる可能性があります。
さらに不正アクセスによるなりすまし、サイバー犯罪への加担など、モラルに反する行動や違法行為へとエスカレートすることもあります。

またネットショッピングを通じた過剰な消費行動、オンラインゲームへの依存など、生活の破綻につながるケースも指摘されています。

 (以上、日本大百科全書解説からの引用) 

金融リテラシーが高いのに何故か騙されてしまう高齢者

私たちがしっかりとした生活基盤を持って生活していくためには、お金を上手に管理したり、注意深く上手に使ったりすることが重要です。

そのためにはお金について十分な知識を持ち、お金との付き合い方について適切に判断する力が必要です。 

このような、お金に関わる金融や経済に関する知識や判断力のことを「金融リテラシー」といいます 。

世の中は様々な金融商品や投資商品で満ち溢れています。

ですから中には顧客の財産を食いつぶし、損ばかりさせてしまう駄目な金融商品や、実体のない投資話を持ちかける悪質な投資詐欺を行う輩も多く、被害が後を絶ちません。

そうしたトラブルを避け、私たちが経済的に自立し、しっかりと生きていくためにも「経済リテラシー」は欠かすことができないものなのです。

ある調査によると、比較的年齢が高く、年収や金融資産の金額が多い人ほど「金融リテラシー」が高いということが分かっています。 

高齢者が難解な金融商品でも『よく理解できた』と言ってしまう理由とは

ところが、つい最近「かんぽ生命」による不適切な保険契約の乗り換え問題が発生していたことがわかりました。

この問題の被害者の大半は高齢者の方たちです。

高齢者の方たちには、郵政民営化される前の郵便局の時代から簡易保険を扱っていた郵便局のイメージが強くあり、まさか郵便職員が不正を働くとは夢にも思わなかったことでしょう。

ここにも金融リテラシー」が不足した高齢者特有の事情があります。

それは見栄や無知に対する羞恥心から、商品説明の際に、理解できていなくても

『よくわかりました』とつい言ってしまいがちなことです。

長年大手企業などに勤務してきたシニアの方などは特に非常にプライドが高く、「こんなことも知らないのか」と、自分よりもはるかに年下の営業マンに侮られたくないために、つい知ったかぶりをしてしまうのです。  

このような気持ちになることは理解できますが、とかく金融商品に関してはどれ

だけ説明されても理解できないと感じたら素直に「分からないので今回は遠慮す

る」と、はっきりと毅然とした態度で伝えるべきであったのではないかと思われ

ます。 

特に定年退職直後の [高齢前期] の方たちは、金融機関の営業マンらに騙されない

「金融リテラシー」を持つことが大事です。 

さあ、「金融リテラシー」を身につけて知識武装しておきましょう ! 

私たちが最低限身につけておかなければならない「金融リテラシー」

◯自分や家族の生活設計 (ライフプラン) を明確にすること

○金融商品を選ぶ際は契約書をよく読み、相手方や日付、金額、支払条件などが明記されているかどうか、また不明な点があればすぐ確認するなどの習慣を身につけることが金融取引の基本であることを覚えておくこと。

◯情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること。

◯金融と経済に関する基礎知識 ( 金利、インフレ、デフレ、外国為替、為替リスク、リターンなど) や金融経済情勢に応じた金融商品の選択について理解すること。

◯金融取引の実質的なコスト (販売手数料や信託報酬など) を必ず確認すること。

◯保険商品を買う場合は、自分にとって保険でカバーしたいものや事態が何なのかを考えること (死亡、病気、失業、長生き、火災、地震など)

◯投資商品を買う場合、高いリターンを得ようとすると、より高いリスクを伴うことを理解すること。
また、分散投資の効果や長期運用の効果も理解すること。 

最後に

いずれにせよ高齢ドライバーの問題も、中高年引きこもりによる家庭内暴力問題も、介護施設における高齢者虐待問題も、高齢者の金融リテラシー不足による金融商品詐欺被害問題も、結局は長寿であることが決しておめでたいことではなくなりつつあるということであり、そんな社会がすでに到来していることを端的に表すものではないかと思っています。

これが一つの文明の行き着いた姿であるとすれば、私たちはこの超高齢社会をできるだけ穏やかに持続させる方法をみんなで考えていくしかないのではないかと考えています。 

一方で高齢者の方たちも社会と共生する方法を自ら考えながら生きていくのは当然ではないでしょうか。
粛々と生き長らえている時代はもう終わりかけているのではないでしょうか。

いや、漫然と長寿に安住していられる時代は多分もう終わってしまったのかも知れません。

私はそう思うのですが、皆さんはいかが思われますか?

 

令和「高齢者受難の時代」だからこそ “金融リテラシー” で知識武装せよ !

終わり

 

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