銀行で自分の預金が下ろせない? “銀行ハラスメント”が横行している現実

銀行で普通に預金を下ろすことさえ許されないのか? “銀行ハラスメント”が横行している!

[2019年8月 加筆修正 最新版]

はじめに

 最近、多くの金融機関では、一定年齢以上の顧客を対象に、一律の対応ルールを設けるところが増えてきています。

金融機関が高齢者の顧客の取引を見直す動きが急速に進んでいるのです。 
実は、特殊詐欺 (=オレオレ詐欺) の防止の目的で、顧客が一定の年齢になると、預金の引き出しを制限したり、お金の使用目的の詳しい説明を求めたりする事案が増えているのです。

その一定の年齢というのは、70歳以上を目安としているところが多いようですが、金融機関によっては65歳以上としているところもあるようです。

 

最近、金融機関の窓口では、善良な一般市民が自分や家族の預金口座からお金を引き出そうとしても、銀行側から「そのお金はどのようにご利用なさるのですか?」「今お引き出しになる必要はあるのでしょうか?」などと個人的な情報をしつこく訊かれたり、機械的でマニュアル通りの対応をされたあげくに、口座を解約することや、お金を自由に引き出すことさえもすんなりとは認めてくれず、『感情を傷つけられて不愉快な気分になったなどという苦情が出る事例がかなりの頻度で発生しています。

もしかしたら、このブログをお読みになっている方たちの中にも、お心当たりのある方がいらっしゃるのではないでしょうか?


 実は、このような銀行の過剰な対応は、まるで「銀行によるハラスメント」行為ではないかと指摘され、関係方面に苦情が殺到しているのです。

実はこの「銀行ハラスメント」疑惑問題国会でも取り上げられたことがあり、野党議員が金融庁の責任者に対して質問に立ったことがあるのです。

金融機関がこのような過剰な対応をするのには、ちゃんとした理由があります。それは、特殊詐欺 (振り込め詐欺) やマネーロンダリングなどの反社会的組織犯罪が年々巧妙化し、被害も増加しているため、金融機関にもその防止策をとるように求められているからです。


そのため銀行ではそういった国からの要請に答えようと、被害が出ないように適切な措置を講じるようにすることが当然だと考えている節が見うけられます。

そのため、一般の顧客に対して過剰な対応を取らざるを得ないのではないかと推察されるのです。

しかし、そのやり方があまりにも一方的で機械的であるために、一般の人々が自分の当然の権利である預金の引き出しや送金などの行為を行うに際して、銀行の画一的で高圧的な対応に対し、『怒りを覚えた。困惑してどう対応していいか分からず途方に暮れてしまった』などといった、銀行の対応に対する苦情が殺到しており、改善の要望が多く寄せられているといった隠された現実があるのです。

また、金融機関の多くの支店では現在、認知症判断能力が低下したと思われる顧客への対応が大きな負担となっています。
高齢の客やその家族とのトラブルも増えてきており、一定の対応ルールを作ることはその予防策となっているのです。

今回はこの「銀行によるハラスメント」ともいうべき実態について、詳しく掘り下げて述べてみたいと思います。

桜

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銀行ハラスメント?  1
定期預金を家族が解約できない !?

事例 その1 

概要

入院中の母親の症状が急変したため、母親の息子が入院費用を工面するために母親の定期預金を解約しようとしたところ、銀行側はそれを拒否した。

銀行側の言い分は、定期預金の解約は本人でないとできないというもので、もしどうしてもそれを行いたいのならば裁判所に申し立てて、母親に成年後見人を付けなければならないというものであった。 

つまり、たとえ実の息子ではあっても正式な後見人ではないことを理由に、家族の要求が拒否されたという事例である。

結果どうなった?

数ヶ月後に母親の体調が回復し、ようやく定期預金の解約がなされて、入院費用を支払う目処がついた。 それまでは仕方なく息子が自分の預金を取り崩して立て替える羽目になってしまったのだ。

結局、詐欺や組織犯罪とは無関係であったし、銀行側が適切な対応をしてくれてさえいればこんなことは起きなかったはずであった。

何か救済策はなかったのであろうか?

監督官庁 (金融庁) の責任者による見解

” 決して「銀行ハラスメント」などというものではなく、本人の意思確認ができずに親族が預金を解約したり引き出したりする場合の金融機関の対応については、あらかじめこうした事態を想定して内部規定などで基準を定めており、例えば病院からの請求書があるなど、口座名義人本人のための払い戻しであることについて客観的に疑念がない場合などについては払い出しに応じる、というように対応してくれる金融機関は実際に存在しています。

また、あらかじめ親族を代理人に指定し、一定の場合においては代理人が預金を引き出すことができる制度を設けている金融機関もあります。

いずれにしても、金融機関において個々の事例に応じて、お客の苦情や相談に真摯に向き合って事情を勘案した柔軟な対応ができるように、手続きを明確化して職員に周知する必要があり、金融庁としてもそういうことを促していきたいと考えています。” と回答しています。

では、こんな時どうすれば良かったのか?

今回の事例では、ご本人の通帳と印鑑に加えて、本人の意思が確認できる「委任状」を用意し、必要事項を本人が自筆して実印を押し、加えて印鑑証明書も添付すれば完璧だったのではないかと思われます。

ただし「委任状」があれば親族でも預金を下ろすことができるのかどうか、前もって最寄りの金融機関に確認しておかれた方が良いでしょう。
「委任状」では対応できない金融機関も未だにあることも考えられますので。

さらに今回の事例の場合では、母親が元気なうちに、急な病気など思わぬ大金が必要な場合が来た時に備えて、本人しか解約できない定期預金を解約し、普通預金に戻しておくべきでした。
現在のような超低金利時代においては定期預金にしておく必要性は無いに等しいからです。

また複数の銀行の口座を持っている場合に管理しやすいように、一つに口座にまとめておくことも大切なことです。

そして最も重要なことは、普通預金の口座の「代理人カード」を作っておくべきでした。
「代理人カード」を作るには、口座の名義人本人と一緒に銀行の窓口へ行き、「代理人カード」の申請をすることで、その預金を親族である息子や娘などが代理で下ろすことが可能になります。

「代理人カード」は本人の意思に基づくものですから、今回のような急な病気入院の場合だけではなく、この後に親が『認知症』などになった場合でも使い続けることができます。

将来必ずお役に立ちますので、絶対に作って持っておくべきカードです。

結論

他人が預金を解約したり引き出したりするような場合には、銀行には本来の預金者のためにトラブルを回避する責務があり ます。

ですから今回の事例のように、不測の事態で本人が銀行の窓口に出向けない場合、あるいは意思を確認できない場合にはどうしたらいいか?ということです。

現在、金融機関から預金を引き出す際は本人確認が最重要となっていますが、今回のケースは入院している母親本人の意思確認が病気のためにできないという中で、家族が預金を引き出そうとした事例です。

制度的には本人の意思が確認できる「委任状」を用意すればいいのですが、金融庁の方針としてはこういった場合の対応は各金融機関の規則・判断によるものとしています。 

これは画一的かつ明示されたルールを作ると悪用されてしまう恐れがあるということが理由のようです。

なお、銀行から「家庭裁判所に申し立てて成年後見人を立てるしか方法はありません」と言われたとしても、それを真に受けて悩む必要はありません。 

成年後見人を立てるしかないと言い張るのは、その金融機関が杓子定規な規定しか知らないということであり、こういった場合の対応が決まっていないということですから、金融機関としてのレベルが低いと考えて構わないと思います。

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銀行ハラスメント?  2 

自分の預金を引き出そうとしたら、振り込め詐欺の被害者に疑われて警察に通報された !

事例 その2

概要

ある顧客の息子さんが東京の大学に合格して、東京でアパートを借りて一人暮らしをすることになりました。
そこで、60代の母親が賃貸アパートの入居に必要な諸々の費用に充てるために、自分の預金口座からまとまったお金を引き出そうとして、通帳と印鑑そして身分証明書まで持って銀行へ行ったのですが、振り込め詐欺の被害者ではないかと疑われ、別室に呼ばれて事情を聞かれ、なぜか警察まで呼ばれてしまいました。
母親は怒り、大変不快な経験をしたという事例です。

しかし今回明らかになった事例をみると、あまりにも杓子定規な印象があります。 国が振り込め詐欺の未然防止に向けた取り組みを要請していることから、銀行の方も詐欺に遭わないための注意喚起をするあまり、対応が画一的になってしまったことは否めないと思われます。

監督官庁 (金融庁) の責任者による見解

” 近年、振り込め詐欺被害が増加しており、これを防止する観点から、例えば高齢者が多額の現金の引き出しをするような場合には、金融機関において本人に声かけをして注意喚起を行うこと、あるいは場合によっては最寄りの警察署に連絡するということもあり得ます。

他方で過度に画一的な対応をとることによって顧客に迷惑をかけたり、不愉快な思いをさせたりするということはあってはならないと考えており、各金融機関においては顧客の事情を考慮し、適切な対応をしていく必要があると考えています。” と回答しています。

結論 

 特殊詐欺の被害を防ぐため、多くの金融機関では数年前から、現金自動受払機 (ATM) でカードを利用する振り込みについて、高齢者を対象に1日あたりの上限を低く設定しています。
例えば70歳以上の人について、1日あたりの出金や振込を10万円以内に制限しているところもあります。

一般の人は何らかの支出をする必要があるから自分の口座に預金をしていることがほとんどであり、預金の引き出しや送金は当然の権利でもあります。

一般の顧客が不快な思いをしたり、本当に必要な時に必要なお金を引き出せないようなことがないようにする必要があります。

『銀行によるハラスメントじゃないか ! 』なんて思われないようにしていただきたいものです。

金融機関には振り込め詐欺防止などの責務はあるものの、預金者が預金引き出しや送金などまともな権利をまともに執行するに当たっては不愉快な思いをすることがないように、各銀行で窓口の対応について検討していただく必要があるのではないでしょうか。

銀行ハラスメント?  3 

定年退職者の「退職金札束」に群がる「ハゲタカ」たち 

定年退職者の退職金を狙う、凄まじい「ハゲタカ」バンクの手法

お勧め商品が 酷すぎる!

定年まで会社員を勤めあげれば、多くの人は退職金を手にするものですが、突然大金を手にした人は、各金融機関にとって恰好のターゲットになっているということを忘れてはいけません。

顧客の口座に多額の退職金と思われる金額か振り込まれたことを確認したその瞬間から、これら退職金マネーに狙いを定めた各金融機関による凄まじい営業攻勢が始まり、 営業社員のセールストークに負けて不必要な欠陥金融商品を買わされ、後で痛い目にあうという定年退職者が少なくありません。

まさに退職金を狙う「ハゲタカ」という表現がぴったりと当てはまるようです。

定年退職者の方々は退職金という数千万円単位のまとまったお金を手にして、これをどう運用したらよいのか悩む方たちがいっぱいいらっしゃることでしょう。それもそのはず、大部分の方たちはほとんどが投資の初心者と思われるからです。

でも、” 金融商品のことを自分で何も理解できないままで、銀行員の勧めるままにまとまった金額をそのまま投資に回してしまうと、大きなリスクを抱え込んでしまうことになる “ ということをしっかりと心に刻み込んでおかれたほうがよろしいでしょう。

銀行が勧めてくる金融商品は間違いだらけ、問題だらけの商品ばかり

定年退職した人々に金融機関が勧めてくる金融商品は、大体次の3つが多いようです。   

「退職金専用定期預金」

「毎月分配型投資信託」

「外貨建て保険」

1. ご挨拶代わりに「退職金専用定期預金」

これは名前の通り退職金専用の定期預金です。
現在の低金利水準の中では比較的高い金利であることが特徴なのですが、欠点も多くあります。

預け入れ期間が極端に短く、最大でも6ヶ月程度しかないということ、預け入れは退職金を受け取ってから一定期間以内(1~3年以内)でなければならないこと、一人一回限りであること、預け入れの最低額が決まっていること (500万円以上) 及び上限額が決まっていること(退職金受取額まで)などといった、各金融機関に共通のデメリットがあります。

2. 手数料だけで収益分がふっ飛んでしまう?「投資信託」

最新の調査によると、金融庁が大手銀行などが販売した投資信託の運用成績を調べたところ、投信を保有していた顧客のうち実に46%が損失を抱えていることが分かったのです。
なぜ多くの顧客に損をさせるようなことになったのでしょうか?

それは一部の金融機関が、同じ顧客に何度も商品を買い替えさせる、いわゆる「回転売買」をさせていたからです。

投資信託というのはそのまま長期間持ち続けていれば損を出しにくい金融商品なのですが、金融機関が手数料の高い商品を売って儲けを得るために顧客に何度も商品を売り買いさせて、高い手数料を得ていたのです。

顧客は別の投信商品を新たに買い換える度に何度も高い手数料を支払わされていたというわけです。

このような一部の金融機関による手数料稼ぎ・儲け優先の販売手法のために利益が目減りし、運用成績がマイナスになり、損失を抱える顧客も多くなっていったものと考えられます。

さらに悪質なのは、損失を出した顧客の大半は高齢者 (シニア世代) で、一部の金融機関は顧客の利益にならないことを知りながら、手数料目当てで「回転売買」をさせていたことが分かったのです。

また、比較的多く売られていたのが、定期的に分配金を出すタイプの投資信託である「毎月分配型投資信託」 という商品で、長期的な資産形成にはとても不向きな商品なのです。

しかも、顧客が年金受給者ということで、年金が毎偶数月に支払われるため、奇数月に分配金を支払うという、高齢者に対し安定的な現金収入のある生活をイメージさせることを狙った、なんともあざとい商品がこの「毎月分配型投信商品」なのです。

実際には「投資信託」という金融商品には販売手数料と運用管理費がかかるわけですから、何度も買い替えをしていくうちに高い手数料を支払わされ、資産が目減りしてマイナスになっていくわけです。 他に「信託報酬」も掛かります。

高齢の顧客に対しては、これらの手数料がかかることはほとんど知らされていません。
高齢者にとっては一見すると有益な商品に見える「投資信託」のセールスですが、実際には手数料狙いのとんでもないぼったくり商品だったというわけです。

結論 

「毎月分配型投資信託」は金融機関から勧められても絶対に手を出さないでください。( 特に奇数月分配型投信 ) 

百合の花と少女

3. 本当に超低金利時代の救世主なのか?「外貨建て保険」

銀行で「金利が高くて、相続対策にもなる」と、「外貨建て保険」を勧められることもあるかもしれません。

保険料を米ドルなどの外貨で運用する、この「外貨建て保険」についても注意が必要です。

今、この「外貨建て保険」への苦情が殺到しており、安全なイメージが強い生命保険商品への信頼を揺るがす問題が発生しています。


顧客から預かった保険料を、米ドルあるいは豪ドル建ての終身保険や年金保険などで運用する貯蓄性の高い保険商品が「外貨建て保険」です。

円建て保険に比べて高い返戻率と割安な保険料が最大のメリットといえるものですが、利回りやリスクに関する説明が足りないことに苦情も多いようです。

苦情の中身をよく聞いてみると、多くの人が「外貨建て保険」の内容を正確に理解できていないことに主な原因があるようです。

商品が高利回りであることばかりを強調され、マイナス面を十分に伝えられていなかったのではないかという指摘があります。 

マイナス面というのは、円高が進むと受け取れる保険金が目減りする為替変動リスクや、満期前に中途解約すると元本割れする可能性が高くなるという点です。

これらのリスクはほとんど説明されていなかったのです。

特に、金融知識が十分ではない、定年退職になったばかりの人や高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが目立っています。

さらに悪質なのは契約内容をほとんど理解できていない認知症の高齢者に商品を売りつけたということもあったということです。

これでは高齢者を騙す振り込め詐欺と大して変わらないのではないでしょうか。

外貨建て保険を契約する際には初期費用がかかります。
高額な販売手数料の他にも、
円をドルに換算する時にかかる為替手数料、他に年金管理費として毎年の受取年金額の一定割合がかかるのです。
なんと恐るべき高コスト商品ではありませんか。

結論 

この商品のように加入した途端に1割近くの資産を減らしてしまうような、明らかに損をする商品は買うべきではありません。
絶対に「外貨建て保険」には加入しない方がよろしいでしょう。

4. 銀行お勧め商品を買う時は・・・ まとめ

資産運用のために金融機関から金融商品を買う時は十分な検討が必要です。

窓口でよく説明を聞き、十分納得してから契約するようになさってください。 分からなければ一度持ち帰っても構わないと思います。

自分なりに商品をよく研究し、それでも分からなければ加入しない方が無難です。

特にこれから老後のために資産運用を考えてらっしゃる方、金融機関の窓口でいくら勧められても「毎月分配型の投資信託」「外貨建て保険」だけは絶対に手を出さないよう、強く進言いたします。

0.5%ルールを守って資産運用しましょう

販売手数料や信託報酬・管理費などを合わせた実質的な手数料の合計が年間0.5%を超える運用商品やサービスは全て避けてください。

これを「0.5%ルール」といい、これでダメな運用商品の大部分を除外することができます。 そうなると結局残るのは「個人向け国債」など、一部の限られた信頼できる金融商品だけになってしまうようです。

最終結論

金融機関の悪い営業 ( 銀行ハラスメント) には十分ご注意ください。
絶対に引っかからないようにしましょう。

最後に 金融ハラスメントについての私の見解

預金は本来、預金者の求めがあれば直ちに払い戻されなくてはいけないものですが、犯罪防止のために一定の制限を課すことは、法律で認められていることでもあり、ある意味仕方のないことだと思われます。

しかし、『自分のお金なのに自由に引き出せない』とか『個人の金融行為になぜ警察が介入するのか』などという反発からトラブルになることもあり得ます。

自立して財産管理をしたいという元気なシニアや、子に頼りたくないという人にとっては、「高齢者を差別している」と映っても仕方がないことだと思います。

特殊詐欺被害は現在ますます深刻化しており、また認知症の人への対応も大きな課題となっています。 

今後も金融機関の高齢者への対応は厳格化が進む可能性は高いと思われます。 

しかし、老後の資産管理を考える上では、あくまでも「個々人に応じたきめ細やかな対応」が一番望ましい形なのではないかと考えます。 

銀行で自分の預金が下ろせない? “銀行ハラスメント”が横行している現実
終わり

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