どうする?増え続ける「空き家」問題 所有者がするべき究極の対策は相続登記!!

どうする?増え続ける「空き家問題」所有者がするべき究極の対策は?
相続登記をしておかないと大変なことになります

[2019年3月 追加記述補正 最新版]

はじめに

日本では今「空き家」が増え続けており、日本にある空き家の数は約820万で、総住宅数に占める割合 (空き家率) は現在約13.5%と過去最高を記録しています。

今や約7軒に1軒が空き家という計算になります。

これほど空き家の多い国はおそらく日本の他にはありません。

空き家は今後も増加する見通しで、この空き家率が14年後の2033年には30%近くにまで達するという専門家たちの予想もあるのです。

空き家や管理不全の老朽マンションの増加は、犯罪の誘発に加え、災害時の家屋の倒壊など防災面でも懸念が広がっています。

空き家急増問題は私たちにとって決して他人事ではありません。
近い将来私たちの身にも起こり得る可能性が十分にあるからです。

今、このブログをお読みいただいているあなたは、もしかしたら普段から「空き家」になってしまうかもしれない家があることを気にかけていらっしゃるのではありませんか? そうであれば是非このブログを最後までお読み下さい。

あなたがご両親と離れて暮らしていると仮定して、もしもご両親がお亡くなりになってしまったり、老人施設に入居されたりして、ご両親の実家が無人になってしまったら、そのときあなたはどうなさいますか?

あなたがご両親に代わってその家に住むことができるのであれば、ご両親の実家は空き家にならずに済むので何も問題は無いのですが、あなたが既に自分の住居を所有していて、ご両親の実家に住む必要が無いのであれば、ご両親の実家は無人の「空き家」のままであり、そのまま放置しておくわけにもいきませんから、何らかの対策を考えなくてはいけなくなります。

もちろん、家族が住むのではなく、きれいにリフォームして賃貸物件として再生するという方法もありますが、いずれにしても何も対策を取らずに「空き家」をこのまま放置して荒廃させ、周辺環境を悪化させて、ご近所や自治体に迷惑をかける訳にはいきません。

それでは一体どのような「空き家」対策を取れば良いのでしょうか?
私、ファイナンシャルプランナーである筆者が、専門家の立場から提案してみたいと思います。

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目次

空き家が急増する理由  

核家族化で年々増加する空き家

空き家が急増する背景には様々な要因がありますが、最も大きいのは核家族化
影響でしょう。

子どもたちが独立して自分たちの家を持ってしまうため、残された父母が亡くなると、誰も使っていない空き家が生まれてしまうわけです。


放置されている空き家には建築後40年ないし50年、あるいはそれ以上の築年数の
経ったものが多く、倒壊の危険性が懸念されています。

こうした空き家は人の目が届きにくく、防犯面でも懸念されることが多いようです。 ゴミの不法投棄による環境汚染や不審火による火災の発生、災害時の屋根や外壁の落下など、周辺の住民を危険に巻き込む恐れが十分にあるのです。
また、景観の悪化をもたらす可能性もあり、付近の住民や自治体に大きな迷惑をかけることになるのです。


こうしたことから、空き家の増加が見過ごすことのできない社会問題となってきたのです。

住宅過剰供給社会になった日本

それともう一つ、 空き家が増えている理由は、住宅戸数が世帯数を大幅に上回っているのにもかかわらず、住宅の大量供給が止まらないためです。
 

人口減少に伴って世帯数は減っていくはずです。
同じように住宅戸数もそれに比例して減っていけばいいのですが、日本人は家を
財産として残そうとしますので、人口が減っても家の数は減ることはなく
、こう
して空き家の数は必然的にどんどん増えてしまうことになるのです。 

日本にはすでに世帯数を超える住宅があるにも関わらず、ハウスメーカーなどが
新たな住宅をどんどん作り、「住宅過剰供給社会」になってきているのです。  

大都市圏にも「空き家予備軍」が大量に潜んでいる

65歳以上の高齢者だけが住む戸建てとマンションの持ち家が東京・大阪・名古屋の三大都市圏に合計336万戸もあり、三大都市圏の持ち家全体の2割強に達することがわかりました。 空き家予備軍がそれだけあるということです。

家主である高齢者の死後は相続人が入居しないことが多く、また古い家屋は買い手がつきにくいため、よほど中古住宅の流通市場が充実しない限り、空き家が大都市圏でも溢れてくることが予想されます。

「空き家法」による「特定空き家」の指定を受けると….

「空き家問題」については各地の自治体も長らく頭を悩ませてきました。
しかし空き家にも所有権がありますから、基本的に勝手に立ち入ったり、取り壊したりすることはできません。

そこで数年前から「空き家条例」などのルール作りに取り組む地方自治体が増えてきたのです。

こうした動きを受けて、国では「空き家対策特別措置法」通称「空き家法」を作りました 。2015年から施行されています。

1 最後は行政代執行により有無を言わさず解体される

最近では、近隣トラブルになるほどに「空き家」が増え始めてきており、また
空き家の所有者もわからないなどの問題も表面化してきました。

そこで個人の資産である住宅について、行政が踏み込んだ対応を取れるように
法整備をしたものが、この「空き家法」なのです。

「空き家法」によると、まず自治体が「空き家」であることを確認したり、所有者を特定しやすくしたうえで、所有者に適切な管理をするように求めるためのルールを定めていきます。

次に、倒壊の恐れがあったり、景観上問題があったりする、すでに地域で問題となっている空き家については、市区町村が「特定空き家」に指定したうえで、空き家の所有者に立木伐採や家の修繕または住宅の解体・撤去などの助言・指導勧告・命令を出すことができます。
また、勧告や命令に従わない場合には「行政代執行 (強制執行) 」ができるようにしました。

特定空き家に指定されるための該当条件

1.そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態にあること

2.そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態にあること

3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態にあること

4.その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあること

また、調査をしても空き家の所有者が不明で、行方がどうしても分からない場合には、「空き家法」に基づき、所有者への助言・指導、勧告・命令を省略し、公告した後、市区町村の費用負担で空き家は解体・撤去されます。
これを略式代執行といいます。

2 税金の特例がなくなる


また、この法律は一定の条件を満たす「特定空き家」について、行政による立入
調査などを可能にするとともに、その建物のある敷地を「固定資産税等の住宅用地特例の対象」から除外すると定めています。

 
家が建っている土地は更地に比べて、固定資産税等が特例で安くなるため、相続
などで引き継いだ家をそのままにしておけば税金を低く抑えることができます。

このことが空き家増加の一因になっていたことから、「空き家法」が施行されたわけです。

つまり今までは家が建っていたことにより特例で税金を低く抑えることができていたのに、「特定空き家」に指定されることにより、今度からはその特例が使えなくなり、最大で6倍の固定資産税等の支払いを課される可能性が生じてくるわけです。

空き家対策に取り組む市区町村の状況について国土交通省が公表しました。 

各自治体は「空き家等対策計画」を策定して自治体独自のやり方で空き家を減らしていくことが求められているのですが、この計画に基づいて2018年3月末までに各自治体が空き家に対して助言や指導を行ったのは10,600件強あり、助言・指導に従わない場合にはより強い勧告 (550件) や命令 (70件) に至り,それでも従わない場合は行政が立木の伐採や空き家の解体撤去を行う代執行 (23件) の措置を取る場合もありました。 また所有者不明による略式代執行も75件ありました。

「特定空き家」の指定を回避するためにどんな方法があるのか?

建物が「特定空き家」と指定されることを避けるためには、所有者が何らかの対策を講じる必要があります。

例えば最も一般的な方法として、「一戸建て賃貸住宅の経営」があります。

空き家を賃貸住宅としてリフォームして、再生させることが必要となりますが、
事業用物件となれば家賃収入が得られる上、相続税対策としても有効です。

貸家、シェアハウス、民泊、介護施設、イベントスペース、古民家カフェなど

また、不動産管理会社などが提供する「空き家管理サービス」を利用するという手もあります。 これは建物の定期的な状況確認 (見回り・通風) や清掃・除草などの作業を行ってくれるもので、月々数千円から1万円程度の料金がかかりますが、固定資産税などの大幅な増額が回避できるということを考えれば、大変便利でしかもリーズナブルな一つの方法だと思われます。

空き家の所有者が認識すべき社会的責任とは何か?


空き家問題はようやく法律が整備されたとはいえ、条例を制定した自治体の数も
まだ少なく、課題が山積しています。 この空き家問題の
解決に向けて大きく前進させるには、行政が中心となって本気で取り組むことが必要となるでしょう。

 

一方、空き家の所有者の中には自分が当事者であることを認識してしていない人も数多くいると思われます。

確かに「今は誰も人が住んでいない空き家ではあるが、外観はきれいにしているし、近所の人に迷惑をかけているわけでもない、だから何の問題があるのだ」
考えている方も数多くいらっしゃることでしょう。

ですが「空き家を放置すれば他人に迷惑をかける可能性があるのだ」という、社会的責任についてしっかりと認識してもらわなければなりません。

住宅は、人が住まなくなると急速に老朽化が進みますので、とりあえず放置しているうちに老朽化が進み、家の効果的な利用や活用の選択肢が狭まっていくということも起こり得ますので十分注意が必要です。

家を管理するサービスも増えていることですし、「空き家を所有したら絶対に放置しない」という強い心構えを持って、有効活用について専門のコーディネーターや行政窓口に相談してみましょう。

これから空き家を相続する方へ  相続登記は必ずしておくこと

これから空き家を相続するなどにより所有者になる場合には一体どうしたらよいのでしょうか。 

相続後に空き家の売却や建て替えなどの活用を考えている場合には権利関係を明確にしておくことが大切です。

まずは不動産登記 (登記簿) の内容を確認しておきましょう。

そして必ず相続登記を行っておいてください。

登記しないまま相続を繰り返すことだけは絶対にやめてください。

もし相続登記をせずにいると…. こんな大変なことになります


権利関係が曖昧なままになっていると、きちんと登記するために法定相続人をさかのぼって確認するという、大変困難で時間のかかる厄介な事態になりかねません。

きちんと登記をしておかないと、相続の手続きや空き家の売却などの際に妨げに
なるのです。
 

もしもあなたが空き家の所有者であるとして、まだ相続登記をしていないとしたらどんなことが起こるか知りたくありませんか?

もし相続登記をせずに家の名義が亡き親御さんのままだと、様々な問題が起こってきます。その問題というのは以下のとおりです。

1. 家を売ろうとした時に契約書を作成できない
名義が故人のままだと、当然売却したくても契約書を作ることさえできません。

2. 家を担保に借金したくても金融機関が応じてくれない
同様に、故人名義のままで金融機関がお金を貸してくれるわけがありません。

3. 年月が経つほど法定相続人の数が増え遺産分割協議が困難になってくる

※建物の名義を書き換える手続きでは遺産分割協議書の添付が必要になります。 
 遺産分割協議書は全ての法定相続人が話し合い、遺産の分け方を決めて形にした文書
 ですから全員が署名し実印を押す必要があります。 

 放っておくと面識や交流がない相続人だらけという複雑な状態になり、遺産分割協議書
 を作るのはますます難しくなります。 

4. 隣地との境界確定が困難になり相手に迷惑がかかる 
隣人が土地の境界画定を求めてきたときに、登記名義が故人のままでは直ちに応じることができません。
隣近所に迷惑をかけることになります。

このように相続登記を放置するということは、自分の世代はまだしも、子や孫の
世代に大変な迷惑をかけるということを認識すべきでしょう。

わざと意図的に相続登記をしない人たち [相続登記を巡る社会問題]


相続登記を巡っては最近社会問題にもなっています。

もともと登記すること自体は任意で、相続人の判断に委ねられているのですが、
相続で親からもらったはずの不動産の名義書換を意図的にしない人が増えている
のです。 古くて資産価値のなくなった家を抱え込みたくないからだというのです。

遠方にある不動産の固定資産税や建物管理の負担を避けるために、わざと相続登を敬遠する例が目立っており、何代にもわたって相続登記が先送りされ、今で所有者不明という空き家が膨大な数に膨れ上がり社会問題となっているのです。

相続登記を義務化する動きが….


もう一つ、私ども専門家が相続登記を必ず行うように主張する理由は、空き家問題の原因にもなっている「所有者不明の土地問題」対策として、現在は任意となっている相続登記を義務付ける法改正などを政府が検討しているからです。

法律によって強制的に相続登記をさせようとしておりますので、これに抗うことはできなくなります。

近い将来必ず、相続登記の義務化は行われる見込みです。 
そうなると今まで通り未登記のままほったらかしにしておくというわけには行きません。 「空き家問題」が永久に解決しないからです。

相続登記がまだ済んでいない方は先延ばしせず、早めに行っておいてください。 

こういうことは早く知って早く手を打っておいた方が勝ちですよ。

最後に まとめとして

将来はこの空き家に誰かが住むのか、賃貸に回して収益を得るのか、それとも売却するのか、自分たちに一番合った利用方法を検討しておきたいものです。

誰も住んでくれる人がいないし、売ってもわずかな額でしか売れないといった場合でも、空き家の有効活用を促進している地方自治体は増えていますので、放置しないで自治体に相談するのも良い方法だと思われます。

空き家対策については今後も色々な方法が模索されていくと思われますので、不動産を゛負動産 ゛にしないためにもきちんと対応しておくべきと私は考えます。

どうする?増え続ける「空き家」問題 所有者がするべき究極の対策は相続登記!!  終わり

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