認知症治療 最前線 「超音波」治療法で希望の光が見えてきた !?

認知症治療 最前線 「超音波」治療法で希望の光が見えてきた !?

はじめに

認知症というものが世界的な問題となって久しいですが、毎年地球上ではおよそ
1,000万人ずつ患者が増えていっているという現実があるにもかかわらず、現在でも有効な治療法がなく、効果のある薬剤が作られていないという現状にあります。

実際、フランスでは昨年 (2018年) 、代表的な認知症治療薬 4種類を、治療の効果が不十分という理由で医療保険の適用から外してしまいました。
症状の進行を遅れさせるという本来の薬の効果が分かりにくい割に、下痢やめまい、吐き気などの副作用が起きやすいことがその理由でした。
がっくりとくるニュースでしたが、仕方がありません。

現在承認されている認知症治療薬はいずれも、症状の進行を抑制する程度のものであり、劇的な回復が期待できるのではありません。

したがって認知症の治療は非常に困難であるといえるでしょう。

もし誰かが認知症の特効薬を発明すれば、世界中から歓迎され賞賛を受けることになるでしょう。
しかし実際は、現実の世ではまだ夢のまた夢の話なのです。
現実になるか全く分からないことなのです。 

ところが最近、薬ではなく、思いがけない技術を用いた新たな認知症の治療法が注目されているのをご存知でしょうか?

ちょっと前にテレビの朝の情報番組 (羽鳥慎一モーニングショー) や夜の経済番組
(W.B.S ワールド.ビジネス.サテライト) などで放送されたことがあるので、ご覧になった方は記憶に残っているかもしれません。 

それは東北大学のチームが研究を進めている、「超音波」を使った治療法です。
初めてお聞きになる方のために詳しく説明してみたいと思います。

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 「超音波」治療法が未来を変える?

東北大学では薬を使わない認知症の治療法を研究しています。

東北大学大学院理学研究科の下川宏明教授率いる研究チームは、今までとは全く違うアプローチで、アルツハイマー型認知症を治せないかどうか研究しています。

それがどんな治療法なのかというと、「超音波」を使って人の脳に刺激を与え、

その刺激によって毛細血管を新しく造り、血流を増やして、血流不全に陥ってい

た脳の組織を再生させ、機能を改善させるというものです。

認知症の原因は「脳の血液循環不全」

従来、アルツハイマー型認知症の原因はアミロイドβタンパクという物質の蓄積によるものだと考えられてきました。


しかし最近いくつかの研究論文の中で、認知症というのは脳の血流不全つまり脳内で血液がうまく循環しないことが原因で起こっているらしいということが分かってきたのです。

 どうして薬剤ではなく「超音波」なのか?

超音波というのは連続した波で、医療現場では低出力レベルながら健康診断時の腹部エコー検査などでも身近に使われていて、比較的安全性が高いものです。 

超音波は、衝撃波などの瞬間的に照射される単一波と違い、面で照射することができるので、治療時間が短くて済みます。
また、肺に当たっても影響がないので安全性も一層高めることができるのです。

さらに、CTスキャナーと違って放射線被ばくの心配がないため、胎児の検査にも使われています。
何年も臨床研究・実験をしないと効果が分からない薬剤によるものよりはるかに効率的だといえるでしょう。

 

下川教授らのチームによる「超音波治療」というのは、超音波を利用して新しく

血管を増やし、血流を改善して循環不全を治すというものです。

超音波を照射することにより血流が良くなり、アルツハイマー型認知症でも症状

の進行を遅らせることができるのではないかと考え、現在も治験治療が行われて

いるという状況なのです。

「超音波治療」のメカニズム

そもそも人間の血管の内部では、血管の一番内側にある 内皮細胞” という細胞が

NO (一酸化窒素) という物質を生み出すことにより、血管を拡張させて動脈硬化

などの病気を防ぐ働きをしています。 

人間のでも同じように、脳内“内皮細胞” NO (一酸化窒素) を出しています。

基本、血流が良くなると NO の出が良くなります。

NO の出が良くなると新しい血管も増えますし、循環不全だった血流も改善することになります。

そこで超音波を照射して “内皮細胞”刺激を与え、NO の出が良くなるようにしているのです。

こうして結果的にアミロイドβの蓄積が大きく抑制されるということになり、認知症の発症を防ぐことにつながるのです。

これが「超音波治療法」の大まかなメカニズムです。

「超音波治療」の具体的なやり方

ヘッドギア型の装置を頭に被ってもらい、耳の上の側頭骨というこめかみに近い、一番薄いところから左右交互に超音波を照射します。 

一回1時間で週3回実施します。

この超音波治験治療は昨年 (2018年) の6月から実施しています。

初期段階では主として安全性を評価するための治験でしたが、治験に参加した全員から安全性が確認されています。

現在、東北大学病院をはじめ、全国10大学の病院で治験治療を実施してもらっています。 患者さんたちも積極的に治験に参加しています。

「効果があった」という有効例が全国から報告されていますが、悪化したという報告はまだ一例もないそうです。

現在行なっている治験は2021年で終わります。あと少しです。
その結果次第ですが、劇的な結果が得られれば 4年以内に実用化できる可能性があるということが分かっています。 

ただ、今の段階では何回ぐらい照射すると治療が終わるのか、またそのときに掛かる費用はいくらぐらいなのか、医療保険は適用されるのかどうか、そのようなことは残念ながらまだ何も分かっておりません。

 

最後に

ご覧のように、長い間絶対確実な治療法が見つからなかった認知症について、「超音波治療法」という新しい治療法が見つかったということは、将来への明るい希望の光が見えてきたということではないでしょうか。

私たちは認知症のために苦しめられてる人たちのことを身近に感じています。
そしてもし自分が認知症になってしまったら一体どうなってしまうのか、想像するだけで気分が滅入り、気が気ではありませんでした。

もしも、この「超音波治療法」という新しい治療法によって、薬剤に頼ることなく認知症が治癒できるのだとしたら、どんなに素晴らしいことでしょうか。

期待して治験の結果を待ちたいと思います。 

認知症治療 最前線 「超音波」治療法で希望の光が見えてきた !?
終わり

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