認知症の人を介護する家族のための Q&A もし親に認知症の症状が現れたら?

認知症支援ガイドライン 紹介シリーズ 第2回

[認知症の家族介護者支援ガイドブック] より

認知症の人を介護する家族のための Q&A とアドバイス  

「もし親に認知症の症状が現れたら? 」

はじめに

『もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が認知症になってしまったら
どうしよう….怖い』

そんな不安を抱いたことはありませんか?

そもそも「認知症」とは何でしょうか?
どんな症状なんでしょうか?

もしも症状が出たらどうしたらいいのでしょうか?

どんな予防法があるのでしょうか? 
発症したら絶対に治らないのでしょうか?

家族や周囲の人は、本人とどう接したらいいのでしょうか?

困ったときは誰に相談すればいいのでしょうか?

ファイナンシャルプランナー FP ユウ による
「認知症支援ガイドライン」紹介シリーズ 第2回

私は以前、この「人生100年時代 終活プログラム」ブログサイトにおいて、
『「認知症の人のための意思決定支援ガイドライン=指針」が公表されました』
題する記事を書かせていただきました。

厚生労働省が公表した「認知症の人の意思決定を支援するためのガイドライン」について分かりやすく説明した記事だったのですが、おかげさまでたくさんの方たちに読んでいただき、ご好評頂いております。 大変感謝しております。
この紹介記事を書いて本当によかったと感じております。

 

厚生労働省が公表している「認知症に関するガイドブック・支援のためのガイドライン」関連の刊行物については他にもたくさんございますので、今回もその中から皆さまのお役に立ちそうなものを選んで「認知症支援ガイドライン」紹介シリーズの第2回として記事を書かせていただくことにしました。

今回書かせていただく記事は「認知症の人を家族が介護するためのガイドブック」

に関するものです。

そして今回は、まず基本編として必ず知っておきたい認知症の基本知識について

確認の意味で最初に書いております。

次に本編として本人に認知症の症状が現れたとき」について、家族介護者のため

、より専門的に詳しく書いていきたいと思います。

今回の記事の構成は、「認知症」に関して認知症が疑われる本人への対処方法に

て、介護者である家族からの素朴な質問に対する、認知症の専門家・専門職

る回答そしてアドバイスという、Q&A形式をとって記述しております。

本ブログは [平成29年度 厚生労働省 老人保健事業] 及び [認知症の家族等介護者

支援に関する調査研究事業] の一環として、「家族支援ガイドライン作成委員会」

が作成した『認知症の家族等介護者支援ガイドブック』を基にして、ファイナンシ

ャルプランナーである筆者がガイドブックの一部を抜粋し、わかりやすく書き直し

て皆様にご紹介するものです。

認知症の家族等介護者支援ガイドブック」はこちら

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目次

基本質問 1 そもそも認知症ってどんな病気なんですか?

答え  厳密に言うと、病気というより「記憶や判断力の障害」により、生活に支障

をきたす状態 (症状) のことです。 

認知症とは老いに伴う症状の一種で、様々な原因で脳の細胞が死んだり、または動

きが悪くなることによって記憶・判断力の障害などが起こり、社会生活や対人関係

に支障が出ている状態のことをいいます。 

そしてそれが6ヶ月以上継続している状態のことです。


なお、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害 (MCI) という症状もあります

が、 MCI の方が全て認知症になるというわけではなく、日常生活への影響はほと

んどありません。

このMCIには2012年の時点で約400万人がいると推定されていますので、実に65

以上の高齢者の約13%に上ります。

MCIから認知症に移行する平均確率約10%ですので、症状が比較的軽いうちに対

策をとれば、回復の可能性は高まるといわれています。


厚生労働省の発表によると、2012年の時点で国内の認知症患者数は約462万人と、

高齢者の約7人に1人を占めることになりました。

そして認知症の発症率は年齢を重ねるほどに高まっていきます。

今後高齢者人口の増加とともにその患者数は増加し、2025年には65歳以上の認知

症患者の数が約730万人にも増加すると推計されているのです。

これは実に高齢者の約5人に1人の割合になるということです。

(下のグラフ参照)

基本質問 2  認知症にはどんな種類があるのですか?

答え  年をとれば誰でも、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しい

ことを覚えることが困難になったりします。

これは単なる「加齢による物忘れ」で誰にでも起こりうることですが、それとは違

い、体験したこと自体を忘れてしまったり、物忘れの自覚がなかったりする場合に

は「認知症」の可能性があります。

認知症には代表的なものとして次にあげる種類のものがありますが、認知症を発症

する主な原因としてはアミロイドβという異常なタンパク質が脳にたまることや、

脳の神経細胞が死ぬことにより起きるということが報告されています。

アルツハイマー型認知症 (認知症で最も多い症状で、全体のおよそ60~70%)

・脳血管性認知症 (神経細胞が壊死して起こるのが特徴で、全体の約20%)

・レビー小体型認知症 (妄想や幻覚が起こることが多く、全体の約5%)

・前頭側頭型認知症 他    (約5%)

※若年性認知症 (64歳以下の働き盛りの世代でも発症する恐れがあります)

基本質問 3 認知症になるとどのような症状が出るのですか?

答え  認知症には「中核症状」「行動・心理症状」の二つの症状があります。

「中核症状」とは脳の神経細胞が死んで行くことによって直接発生する次のような

症状で、周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。


A. 記憶障害 新しいことを記憶できず、ついさっき聞いたことさえ思い出せなくなります。さらに病気が進行すれば以前覚えていたはずの記憶も失われていきます。

B. 見当識 (けんとうしき) 障害 まず時間や季節感の感覚が薄れ、その後で迷子になったり遠くに歩いて行こうとしたりするようになります。  さらに病気が進行すると自分の年齢や家族などの生死に関する記憶がなくなります。

C. 理解・判断力の障害 思考スピードが低下して、今、話している相手が誰なのかわからなくなります。 あるいは些細な変化やいつもと違う出来事で混乱をきたすようになるなどの症状が起こりやすくなります。

D. 実行機能障害 買い物で同じものを購入してしまう、または自分で計画を立てられない、予想外の変化に柔軟に対応できないなど、物事をスムーズに進められなくなります。

「行動・心理症状」 [ BPSD ]  本人がもともと持っている性格や環境、人間関係

など様々な要因が絡み合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面・行動面の

症状です。 周辺症状ともいいます。 主なものには次のような症状があります。

興奮 不安・焦燥  鬱(うつ)状態  幻覚・妄想  徘徊  暴言・暴力 など

基本質問 4  認知症の予防方法はありますか?   また、一度発症したら治らないのでしょうか?

答え   認知症の予防には、健康を保ち、脳に適度な刺激を与えていくことが大切

です。認知症の大部分を占めるアルツハイマー型脳血管性認知症は、生活習慣病

(高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満など) との関連があるとされています。

これらの生活習慣病は認知症を発症しやすくさせるため、治療しておくことが必要です。

その他、野菜・果物・魚介類などの豊富な栄養を持つ食事を心がけたり、定期的

運動習慣を身につけたりすることなど、普段からの生活管理が認知症の予防に

つながることが分かってきました。

また症状が軽い段階のうちに認知症であることに気づき、適切な治療を受けること

ができれば、で認知症の進行を遅らせたり、場合によっては症状を改善したりす

ることもできます。 つまり早期診断と早期治療開始によって高い治療効果が期

できるようになってきています。

認知症の人を支援する家族介護者のための Q & Aアドバイス
「もし認知症の症状が現れたら… 」

さてここからは、認知症の症状に対する家族介護者からの質問という形で話を進めていきたいと思います。

家族からの質問 ① 


最近、親が認知症ではないかと疑われるような行動をすることが多くなり、心配な

ので病院での受診を勧めたいのですが、具体的にどのようなところで診てもらえる

のでしょうか? 

またどのように話したら受診してくれるでしょうか?

回答

まずは本人のかかりつけの医師か、最寄りの医療機関の物忘れ外来受診して

みましょう。 物忘れ外来は、「公益社団法人・認知症の人と家族の会」が運営す

るサイトの「全国物忘れ外来一覧」で調べることができます。

また地元の「地域包括支援センター」でも相談に乗っていただけます。

地域包括支援センター医療機関は、こちらの e-65.net (イー・ローゴネット) から
「認知症 地域支援マップ」で検索できます。

親に受診を勧める際には、本人の気持ち、困りごとや不安なことをよく聞いてあげ

て、希望に応えてあげることを優先的に考えてあげましょう。

そのうえで、本人が自ら受診の意思決定ができるように、本人にとって受診するこ

との利点を話してあげることが大切だと思われます。

その際、本人を安心させてあげるためにも、前もってかかりつけ医医療機関

物忘れ外来の医師と相談して、間違いのない確実な受診ができるということと、

受診後も医療機関地域包括支援センターなどの関係機関と連携して支援を受け続

けることなどが保証されていることを説明して、安心感を提供してあげることを忘

れないようにしましょう。

その他のアドバイス

地域包括支援センターでは、本人の生活不安に関する断面的な状況確認を行った

うえで、一般診療科への受診支援や、生活不安の軽減という初期支援をしていた

だけます。

家族からの質問 ② 


本人が自分に違和感を覚えているとき ( 自分が認知症ではないかと思っている

かもしれないとき ) に、私たち家族は本人に対してどのように対応すべきでしょう

か?

回答

認知症の人が認知機能低下を自覚して悩んでいる場合、家族の皆さんは安易に否定

したり気休めを言ったりせず受容的に (受け身で) 接すると良いでしょう。

認知症の初期症状が疑われる場合には、出来る限り専門外来を早期に受診すること

をお勧めします。

その際にはご家族や支援者の皆さんが同席して、後で主治医の説明を再確認するこ

とが必要です。

アドバイス

認知症の人が早い段階で自分の記憶障害、注意障害、機能障害などの認知機能の

低下を自覚し、違和感を覚えていることは多いと考えられます。

これはご家族の皆さんが、本人の認知機能の低下に気が付くずっと前のこともあ

ります。

さらに、怒りっぽくなったり、外出しなくなったりする行動の背景には、本人が

認知機能の低下を自覚しているものの、プライドの高さや認知症への偏見などを

恐れて回避行動をとったり、素直に周囲に伝えられず精神的ストレスを感じたり

している場合もあります。 

このようなことから家族や支援者の皆さんはまず、本人の思いを言語化できるよう

な信頼関係を築く必要があります。

 
本人が何らかの違和感を訴えている場合、本人の話に対して安易に『気にしなくて

いいよ、年をとったら誰でもそんなものだよ』といった発言をしてはいけません。

このような不用意な発言のために本人は『周りの皆は誰もわかってくれない』と考

えたり、何も相談できなくなってしまい、苦悩や孤独感をますます内に秘めるよう

になってしまいかねないのです。

認知症が疑われる親に専門外来の受診を勧めるときは、受診に対する抵抗や不安を

少しでも軽減してあげるために、早期に治療すると治る認知症もあるんですよ。

アルツハイマー型認知症のような治らない認知症でも、早い時期に薬治療を開始す

ると進行を遅らせることも可能なんですよ』といった説明をしてあげることも有効

だといえます。

このようなお話をしてあげることによって、本人が病気を受容し、積極的に生きて

いくことができるようになることもあるため、暖かく助言してあげましょう。

家族からの質問 ③ 


専門外来を受診した際には、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?

また、どのようにして診断されるのでしょうか?

回答

通常多くの認知症専門外来では、主治医による診療の前に看護師やソーシャルワー

カーらによりご家族との間で予診が行われることが多いようです。

これはなぜかというと、家族介護者の皆さんが本人の前では話しにくいことがある

ことに対する配慮なのです。

予診にあたっては、認知症の有無、その種類や重症度を明確にするために、症状の

経過について家族に問診を行うことがあります。

家族は事前に「いつからどんな症状が見られ、どんなことに困っているか」などを

メモにまとめて受診することをお勧めします。

問診がスムーズに進められ、限られた診療時間を有効に使えるからです。

その後、主治医による実際の問診では、家族介護者の皆さんが何を目的に専門外来

を受診したのかを明確にするために、色々と質問を受けることがあると思います。

認知症の診断は、本人や家族からの聞き取りや、記憶力や判断力の検査 (認知機能

検査) のほか、必要に応じて心理検査血液検査の画像を調べる MRI (磁気共

鳴画像装置)などを使い総合的に判断します。

基本的には1回の受診で診断しますが、認知症がごく初期の症状の場合すぐには診断

できない場合もあります

ただし、本人が受診を嫌がる場合も多いので、かかりつけ医がいるなら事前に相談

しておき、定期検診の際に認知症検査を勧めてもらうなどの工夫もできます。

無理に病院へ連れて行くと家族の信頼関係が壊れてしまう可能性もありますので、

普段通っている医師の指示には素直に従う人も多いことから、このような手法を採

ると良いかと思います。

とにかく本人の気持ちを大事にしてほしいと思います。

検査後、主治医により認知症の症状の診断やこれからの治療方針が告げられること

になります。

中核症状に対しては抗認知症薬療法が開始される確率が高いようです。

さらに行動・心理症状があれば、それに対する薬物療法または非薬物療法が開始さ

れることになると思います。

家族介護者の皆さんは主治医の説明をよく聞き、治療方針についての決定を受け止

めていただきたいと思います。

ご納得いただいた後は本人に対して診療が開始されます。

その他のアドバイス

本人に対して認知症であることの診断が出た後は、専門家による支援が進められて

いきますので、ご家族の皆さんは疾患を理解し、症状に対処するのに役立つ情報提

供を行うようにしてください。


また家族支援ネットワークにもつながるようにしておいてください。

家族からの質問 ④    


軽度認知障害 (MCI) と診断された場合はどのようにしたらよろしいのでしょうか?

回答

軽度認知障害 (MCI) は認知症とまでは言えませんが、本人や周囲の人が物忘れに

気づくといった程度の状態であり、認知症への移行期と捉えられています。

一定の割合で正常に戻る場合もあるため、本人に対して過大な不安を与えないよう

にしてください。

アドバイス 

症状の進行を防ぐためには運動生活習慣病の予防など、危険因子を減らすように

生活するとともに、定期的に医療機関を受診して状態を確認してもらうようにして

ください。

治療を受けた本人に対しては MCI について分かりやすく説明し、認知症ではないこ

と、そして必ずしも認知症に移行するわけではないことを十分に伝えてください。

家族からの質問 ⑤


親がアルツハイマー型認知症と診断された場合、その後私たち家族は具体的にどの

ようにしたらよろしいでしょうか?

回答

認知症と診断を受けて一番辛いのは本人ですが、家族にとっても衝撃は大きいと

思われます。

認知症の親を介護するとなると、介護者自身の生活を犠牲にするほど負担が大きい

場合、介護は続かなくなります。

親が認知症と診断されたら、まずは落ち着いて、現状を把握することが大事です。

そのうえで、数ある選択肢の中から、どうすれば介護する側とされる側にとって

一番良いのかを話し合って決めることが大切です。

親がどのような生活を希望するのか、また介護する側としてもどういった生活なら

継続可能なのかを考慮して検討を進めることが重要です。

いずれの場合も介護保険のサービスをうまく活用すれば、介護の負担を大きく軽減

することができます。

家族介護者の皆さんはアルツハイマー型認知症の理解しがたい行動・心理症状

(BPSD) に目が向きがちですが、アルツハイマー型認知症の主な症状 (中核症状)

は、物忘れに代表される記憶障害見当識障害、理解力や判断力の障害、実行機能

の障害などです。

これらはアルツハイマー型認知症の人には必ず出現する症状です。

ですから家族で介護する場合にはこれら中核症状に対する適切なケアをすることが

必要となります。


具体的に言いますと、

記憶障害に対しては、物忘れを責めたりせずに根気よく対応すること、

見当識障害に対しては、時間をわかりやすくすること混乱しにくい環境づくりを

心がけること、

判断力障害に対しては、情報を簡潔に伝えること、

実行機能障害に対しては、物事の手順を一つずつ説明すること、など

適切なケアの方法を行ってください。

いずれにしても、介護ストレスや病気の理解不足からくる不適切なケアを行なって

しまうと、認知症の人にとって大きなストレスとなり、症状を悪化させるだけでは

なく、介護負担を増大させるという悪循環を産みますので、十分に気をつけてくだ

さい。

アドバイス

アルツハイマー型認知症進行性の症状ではありますが、進行が比較的ゆっくりで

あるために、発症から重度に至るまでには一定の期間があります。


そのため家族介護者の皆さんは今後の見通しをどのようにしていくか、本人の意思

を尊重しながらよく検討し、必要に応じて在宅ケアを含めた将来的な計画を立てる

ことも考えてみてください。

家族からの質問 ⑥ 

幻覚・妄想や徘徊などの行動・心理症状 (BPSD) が現れたときはどのように対応し

たらいいのでしょうか ?

回答

認知症の行動・心理症状 (BPSD) は「物忘れ」や「道に迷う」などの認知機能障害

と同様に、認知症の本人を悩まし、家族介護の負担となったり、早期から施設に入

所しなければならない事の原になったりします。

しかしこの BPSD適切な対応法により治療可能で、さらに予防することもできま

す。 適切な対処法とは、症状が起こる原因を考え声のかけ方や接し方を工夫する

ことです。

日常生活の中で 認知症の人が感じている不安を拭えるように、大丈夫であることを

穏やかな態度ゃ雰囲気で伝えることが大事です。

人間は社会的な生き物なので、何かの役割を担ってもらい、『ありがとう』とか

『助かります』などと声をかけることがとても有効な対処法になります。

幻覚や妄想は認知症に伴って生じる生物学的要因によるものですが、大声をあげた

り、攻撃的言動などを引き起こしたりします。

そのため家族には「予測不能で怖い、不安だ」あるいは「理解不能でイライラす

」といった感情を喚起しやすく、介護負担が大きくなる原因となっている症状で

す。

幻覚や妄想はそれが異常であっても、本人や家族の心身の負担が大きくなければ

に対処しなくても良いとされています。


妄想の多くは本人の不安心理によるもので、その後に攻撃的な言動を引き起こす場

合もあります。

ですから一般的に、それを家族が否定したり正しい事実を理解させようとしたりす

ことで、かえって本人が混乱して症状が悪化することが多いようです。

説得しても多くの場合うまくいかないことが分かっておりますから、対策としては

幻覚・妄想の内容には肯定も否定もしないことが一番です。

徘徊は様々な理由から起こりますが、決してあてもなく目的なくさまよい歩いてい

るわけではありません。 ちゃんとした目的があって外出したにも関わらず、その

目的を途中で忘れてしまうために起きてしまう行動なのです。

いずれにしても一人で外出してしまう場合には、その理由や今の環境について認知

症の人の立場になって考えてみることが大切です。

迷子になって歩き回っていることを責めることや、外出しないよう行動を抑制する

ことは、状況をより悪化させることがあるため望ましくありません。 

アドバイス 

何の目的で外出したのかよく話を聞いて、その気持ちを安定させる方向で検討して

みましょう。  併せて最寄りの行政機関窓口や警察などで SOS ネットワークや

見守りネットワークなどに登録することをお勧めします。

見守りのための GPS (靴や洋服などに装着するもの) やセンサーも市販されていま

すので、検討してみたらいかがでしょうか。

徘徊当日であれば大部分が生存して発見されるというデータがあるため、なるべ

く早い発見につながるよう、地域への理解を促す呼びかけを行い、地域で見守る体

制づくりを充実させることが必要となります。

最後に

認知症の人への対応がうまくいかないと、介護する側はイライラが募り疲弊しやす

くなります。 

効果の高い対応方法を共有できれば、認知症の本人はもちろんその周辺の介護する

人たちや支援してくださる方たちも穏やかに過ごしたりすることができます。

厚生労働省「認知症の家族等介護者支援ガイドブック」のPDFはこちらになります。

認知症の人を介護する家族のための Q&A もし親に認知症の症状が現れたら?
終わり

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