認知症を予防するための新手法は見つかったのか?
新・認知症大綱を見てみたら・・
はじめに
政府は2019年6月18日、認知症対策を強化するための、2025年までの施策を盛
り込んだ新たな大綱を関係閣僚会議で決定しました。
この「新・認知症大綱」では、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025
年に向けて「共生」と「予防」を二本柱として認知症への取り組みを強力に推進
して行くこと、そしてたとえ認知症になっても、誰もがいつまででも活躍できる
社会・自分らしく暮らすことのできる社会の実現を目指すとしています。
「共生」とは、認知症の人が尊厳と希望を持って同じ社会で共に生きるという意
味です。
新・認知症大綱では、このように認知症になっても地域で安心して暮らしていけ
ることを「共生」と捉え、もうひとつ認知症の発症や進行を遅らせることを新た
に「予防」と定義しました。
もっと詳しく言いますと「予防」というのは「認知症にならないこと」という意
味ではなく、「認知症になるのを遅らせること」「認知症になっても進行を緩や
かにすること」と定義されたのです。
つまりこの大綱では、認知症というのは「ならない」ものではなく、「誰もがな
りうるもの」と指摘されたのでした。
そこで今回私はこの「新・認知症大綱」にはどのような認知症の予防方法が書かれてあるのかを見てみることにしました。
ところが、期待に反してその肝心の予防法などについて目新しいものは何も書かれていなかったのです。
ここで分かったのは、現時点では認知症の確立された予防法や治療法はなく、今後引き続き研究を進めるとされていることだけでした。
ところがここで意外な発見がありました。
認知症の新しい予防方法の考え方について、日本政府の大綱ではなく、ほぼ同時期に WHO 世界保健機関が発表した指針=ガイドラインの中に非常にユニークな形で掲載されていることが分かったのです。
本ブログの後半ではその WHO のガイドラインの内容についてご紹介します。
目次
新・認知症大綱にはどんな施策が書かれているのか?
2018年(平成30年) 現在では認知症の人の数は500万人を超え、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症であると見込まれています。
さらに、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年には、認知症の人が約730万人に達し、高齢者のおよそ5人に1人となる見込みであると予測されており、しかもその認知症の人が保有する金融資産は2030年には200兆円を超えるであろうとも推計されているのです。
このように、認知症は誰もがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含めて、多くの人にとって身近なものとなっています。
こうした中で、厚生労働省は、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症と共によりよく生きていくことができるよう、認知症の人の意思が尊重されて、できるだけ出来る限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現すべく 、2015年1月に「認知症施策推進総合戦略」 [新オレンジプラン] を策定し取り組みを進めてきました。
この [新オレンジプラン] は2015年から2025年までの10年間を念頭におき、「共生」に重点を置いて進めてきたものでしたが、ほぼ中間年に当たる今年2019年 (令和元年) 、今後は「予防」にも力を入れるために、関係閣僚会議などの議論を経て、今般この「新・認知症大綱」を取りまとめることになったもので、6月18日に公表されました。
この大綱の正式名称は『令和元年 認知症施策推進大綱』と言います。
なお、この大綱の対象期間は、団塊の世代が75歳以上となる2025年 (令和7年) までとし、策定後3年を目処に施策の進捗状況を確認するものとしました。
つまりどの程度施策の効果が出ているのかを、3年後に見直してみようということです。
また、「予防」を重視する方針を打ち出してきた背景には、社会保障費の伸びを少しでも抑えておきたいという政府の思惑があるからと思われます。
大綱の基本的考え方
大綱の基本的な考え方は「認知症は誰もがなりうるものであることから、認知症への社会の理解を深め、地域で共に生きる社会を目指し、認知症があってもなくても同じ社会の一員として地域を共に創っていくことが必要であること、そして認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら『共生』と『予防』を車の両輪として施策を推進していく」というものです。
現在、高齢化に伴う認知症の人の増加への取り組みは世界共通の課題となっています。
世界で最も速いスピードで高齢化が進んできた日本における社会をあげた取組のモデルを積極的に各国に発信することとし、認知症の人が出来る限り地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指して、本大綱に沿った施策を着実に実施していくとしています。
認知症予防 具体的な施策
今までの研究の結果、認知症は運動不足の解消や食生活の改善、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消や社会とのつながりの維持などの取り組みによって発症のリスクを減らせることができる可能性があると見られています。
認知症は誰もがなりうるものであることから、認知症の人やその家族が地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるためには、認知症への社会の理解を深め、地域で共生する社会を目指す中で、認知症があってもなくても同じ社会の一員として地域を共に創っていくことが必要です。
そしてそのための施策として具体的に次のようなことが考えられています。
「認知症サポーター」を養成する
認知症サポーターとは認知症に関する正しい知識をもって地域や職場で認知症の人やその家族をできる範囲でサポート・手助けする人たちのことです。
認知症サポーターには特に認知症の人と地域で関わることが多いと想定される小売業や金融機関、公共交通機関等の従業員を始め、市町村役場の職員、警察官、自治会の地域住民などが講習を受けて選ばれたり、人格形成の重要な時期である小・中・高校の生徒でも養成講座を受ければ誰でもサポーターになることができます。
認知症サポーターは2020年度の末までに1200万人の登録を目標に掲げており、その数はすでに累計1000万人を超えています。
そしてこの認知症サポーターの仕組みは全市町村に整備されています。
また、認知症の人の意見を取り入れた商品やサービスを登録することのできる仕組みも構築していきます。
認知症予防のための「通いの場」を拡充する
運動不足の改善や社会参加による社会的孤立の解消、役割の保持などが認知症予防に効果があるという可能性が示唆されていることから、地域において高齢者が身近に通うことができる公民館や集会場などで住民による体操教室を開くなどして、介護予防につながる「通いの場」を充実させようとしています。
この「通いの場」の拡充は予防の重点施策で、65歳以上の人の参加率を高め、医師や栄養士らに健康相談できる体制の整備も目指しています。
現に東京の葛飾区などでは市民団体や住民グループの連絡先と活動場所を地図に載せた「シニア活動マップ」を作成しています。
また、市町村で実施するスポーツ教室、公民館などの社会教育施設における市民講座や大学の公開講座など、地域の住民が幅広く活用できる場も最大限に活用して、認知症予防に役立つ可能性のある活動を推進します。
認知症予防に関する「エビデンス」の収集
エビデンスとは「証拠・科学的根拠」という意味ですが、現時点では認知症予防に関する証拠は未だ不十分であることから、予防法の確立に向けたデータの蓄積のために国内外の認知症予防に関する論文等を収集し、認知症予防に関する証拠となる資料を整理した”活動の手引”を作成するものとしています。
また、予防に役立つ商品やサービスを評価・認証する仕組みも検討しています。
「認知症バリアフリー」の推進
認知症の人の多くが、認知症になることで買い物や移動、趣味活動など、地域の様々な場面で外出や交流の機会を減らしているという実態があります。
このため移動や消費、金融手続き、公共施設での活動など、生活のあらゆる場面で、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくために、生活を妨げる障壁をできるだけ減らしていくこと、それが「認知症バリアフリー」という概念です。
要するに、従来の障害者のための「バリアフリー」を高齢化社会に伴い急増し続ける認知症にまで広げましょう、ということなのです。
そしてこの「認知症バリアフリー」の取り組みを官民連携でできるだけ多く推進していこうとしているのです。
具体的には
・バリアフリーなまちづくり (公共交通施設や建築物等のバリアフリー化)
・移動手段の確保 (自ら運転しなくても移動できる手段の確保)
・住宅の確保 (見守りなどを行なってくれる高齢者向け住宅の整備)
・地域支援体制の強化 (認知症サポーターによる見守り活動と生活支援)
などがあります。
認知症の人への「詐欺等消費者トラブル」の防止
認知症の人を含む高齢者の消費相談が年々増加し、消費者トラブルに遭遇した場合の金銭的詐欺被害が急激に増えています。
認知症に関連した事例では、明確な根拠もなく「認知症を予防できる」とうたう薬やサプリメントや健康食品などがこれから急激に蔓延していく危険性があります。
これはひとえに認知症の予防法が未だに確立されていないからです。
たとえ運動を毎日欠かさず行い、社会とのつながりを持って生活していても、認知症を発症する人は大勢いるからです。
また、認知症になった人がまず困るのが薬と並んでお金の管理だと言われています。
例えば金融機関の自分の口座の通帳を何度も紛失したり、印鑑の保管場所が分からなくなったり、キャッシュカードの暗証番号を忘れて預金が引き出せなくなったりします。
このようにお金の管理が難しくなると詐欺被害に遭いやすくなります。
このため、高齢者や認知症で判断力の低下した消費者を地域で見守る体制の構築を推進するとともに、政府広報などを通じて注意喚起を行うようにするものです。
認知症の人への虐待防止
高齢者の虐待は依然として深刻な状態にあります。
特に認知症高齢者への虐待は急激に増えており、認知症の人が様々な病気や怪我の治療で病院に入院した際には、ほぼ3割が身体を縛られるなどの拘束を受けていたという全国調査の結果が研究チームのまとめによりわかりました。
認知症の高齢者はたとえ事故防止の目的であったとしても身体拘束を受けると、さらに暴れたり、意識障害が悪化しやすくなります。
このことによりさらに症状が進んだり、筋力が低下したりして衰弱が進んでしまうことになりますので、不必要な身体拘束を減らすような取り組みが求められています。
虐待防止対策
身体拘束の実態を把握し、身体拘束ゼロに関する良い事例の収集を行う
地域包括支援センターにおける高齢者虐待防止に関する迅速な対応やネット
ワーク作りを行う
市町村において高齢者の安全の確認や通報などによる事実確認のための措置
を実施する
全国の法務局やその支局における人権相談所及び高齢者施設等における特設
の人権相談所において様々な人権問題について相談に応じる
成年後見制度の利用促進
そもそも認知症は予防できるものなのか?
認知症は未だに発症やその進行の仕組みの解明が不十分であり、根本的治療薬や予防法は十分には確立されていません。
最近でも認知症の半数以上を占める「アルツハイマー型認知症」の治療薬で、実用化に最も近いと見られていた日本の製薬メーカーの新薬候補の臨床試験が最終段階で中止となってしまいました。
期待が大きかっただけに患者や医療関係者の間で落胆と失望感が広がりました。
このように認知症を治す薬の開発は苦戦が続いているのです。
認知症予防の研究について
認知症の「予防」について、「発症を先送りする」という意味ならば、予防できる可能性はあります。
しかし予防という言葉を「病気にかからないこと」という意味で使うのなら、認知症は予防できません。
「ランセットの9つのリスク」とは
認知症は「防げるはずのもの」として研究され、2017年にイギリスの
「ランセット」という医学専門誌に発表されたものがあります。
それは、世界中の多くの研究論文を解析し、認知症を予防できる可能性がある
9つのリスクを提起したことです。その9つのリスクとは….
若年期
リスク 1 基礎的な教育 (13~15歳の中等教育) の欠如
中年期
リスク 2 難聴 (聴力低下)
リスク 3 高血圧
リスク 4 肥満
高齢期
リスク 5 喫煙
リスク 6 うつ
リスク 7 運動不足
リスク 8 社会的孤立
リスク 9 糖尿病
この9つのリスクのうち、最も認知症になる原因として確率が高いのは「聴力低下」でした。
そしてこれら9つすべてのリスクを取り除くと、認知症の35%は予防できる可能性があるということが分かったのです。
でも裏を返せば、9つ全てのリスクをなくしたとしても、65%の人は認知症になることを防ぐことはできないということになります。
つまり最大のリスクは「長生きすること」であり、いくら努力しても認知症が発症することを免れることはできないかも知れないということなのです。
また、「認知機能の低下」の予防効果が研究によって示されたものがあります。
それは計算などの頭脳の知的活動と全身運動 (有酸素運動) を同時に行う「コグニサイズ」と呼ばれているもので、認知機能や脳の萎縮の改善が見られたため、認知症予防に効果的だと言われているのです。
コグニサイズのやり方は簡単です。例えば足踏みやステップをしながら同時に100から7ずつ引いていくなどの簡単な計算を同時に行うのです。「100、93、86、79… 」しりとりなどでもいいようです。
認知機能の低下を防ぐことができれば認知症の発症を先送りできる可能性が高いと言われています。
認知症予防の5か条
認知症を予防するのに最も大切なことは、健全な生活や脳を活性化させる活動を行うことです。そのことが血管の老化を予防し、ひいては 認知症の発症を遅らせることができます。
そのために重要なのが次の5か条です。
・生活習慣病の予防
・有酸素運動
・知的活動
・バランスのとれた食事
・慢性的なストレスをなくすこと
WHO 世界保健機関が公表した認知症予防のための指針=ガイドライン
今回の「新・認知症大綱」には認知症を予防するための目新しい予防法は何も記載されていませんでした。
書かれていたのは「運動不足の改善、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消」などが認知症の予防に役立つ可能性があるということだけでした。
でも、このようなことは以前から常識として知られていることであり、私たちが一番知りたいと思っていた「新しい認知症の治療法」などが書かれていたわけではなかったのです。
超早期型・新研究体制のスタート
先ほど述べたように、日本のみならず世界でも認知症治療薬の開発は苦戦が続いています。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドベータ (Aβ) という異常なタンパク質が脳内に蓄積して脳の萎縮が進むことで発症するとされていますが、その Aβ を抑える薬の臨床試験は2000年頃から国内外で行われていたのにもかかわらず、およそ20年経った今でも製品化された薬は出来ていません。
そこで近年、認知症の症状はまだ現れていないけれど Aβ の蓄積が始まっている「超早期」の人を対象に発症を遅らせるようとする研究が進んでいます。というのも Aβ の蓄積は認知症を発症する20年ほど前から始まっていることが研究で分かってきたからです。
このように認知症に関する研究は着実に進歩しています。
また、その他にも認知症の早期発見法が注目されています。
国立がん研究センターと国立長寿医療研究センターは、血液によるがんの早期発見を目指して「マイクロ RNA (=リボ核酸)」を測る手法が、アルツハイマー型、脳血管性などほとんどの認知症の発症を予測できることを発見したと公表しています。
ご紹介したように、新しい研究は進んでいますが、肝心の認知症の特効薬のような薬の開発については苦戦が続いています。
※WHO (世界保健機関)ガイドラインの表紙
WHO (世界保健機関)指針=ガイドラインを見てみる
だからというわけではありませんが、今年2019年5月、 WHO (世界保健機関) が初めて認知症および認知機能低下の予防のための全く新しい指針 = ガイドラインを公表しました。
WHO によると世界の認知症患者は推計で約5000万人おり、毎年約1000万人が新たに発症しているそうです。いったん認知症を発症し、脳がダメージを受けてしまうと、元の状態に戻すのは多くの場合極めて困難なこととなります。
ですから、このまま各国が適切な対策を取らない場合、世界の認知症患者数は今より3倍も増加し、2050年には約1億5200万人に達する恐れがあると警告しています。
WHO のガイドラインで指摘された13項目のリスク
認知症になる最大のリスク (危険因子) は年をとること、すなわち加齢ですが、予防しようにもこれはいかんともしがたいものがあります。
しかしその他のリスクは、適切に予防に取り組むことによって、それを減らすことができます。
それではその他の13項目のリスクをこれからここに列記したいと思います。
この WHO のガイドラインには従来のものと違い、特徴的な表現方法があります。
リスクに対する介入(予防) の方法を示し、そしてエビデンス (科学的根拠) の
レベルと量に応じた「推奨グレード」で格付けしているのです。
その「推奨グレード」の度合いは「強く推奨する」と「条件付きで推奨する」と「推奨できない」の 3 種類で示されています。
リスク 対策 推奨グレード
運動 有酸素運動 推奨グレード : 強く推奨する
喫煙 完全禁煙 推奨グレード : 強く推奨する
高血圧 血圧コントロール 推奨グレード : 強く推奨する
糖尿病 血糖値コントロール 推奨グレード : 強く推奨する
難聴 治療・補聴器 推奨グレード : 強く推奨する
食事 栄養バランス 推奨グレード : 条件付き
飲酒 節酒・禁酒 推奨グレード : 条件付き
肥満 減量 推奨グレード : 条件付き
高脂血症 コレステロールコントロール 推奨グレード : 条件付き
認知機能 トレーニング 脳トレ 推奨グレード : 条件付き
うつ 抗うつ薬 推奨できない 証拠がない
社会参加 社会的交流 推奨できない 根拠がない
サプリメント 全く推奨できない
運動と食事を改善すれば認知症リスクは減らせる
運動 心臓に良いことは脳にも良い
65歳以上の成人は週に合計150分以上のウォーキングやランニングなどの中程度の有酸素運動をするか、または週に合計75分以上の強度の高い活発な運動をするべきであると、強く推奨しています。
有酸素運動は毎日必ず最低10分程度は行なった方が良いでしょう。
※ただいまジョギング中 毎日15キロ
食事 バランスのとれた食事 おすすめは「地中海料理」
バランスのとれた食事の例としてお勧めするのは、穀物や緑黄色野菜、果物、魚類、豆類、大豆製品、海藻類、オリーブオイルなどを多く摂取し、逆に肉や乳製品は少なく摂る「地中海式食生活」です。
地中海式食生活は認知機能との関連性が最も研究されている食事法であり、特にその食事法をしっかりと守っている人たちには、認知症のリスクを低くする効果が見られました。
※美味しそうな地中海料理の具材
全く推奨できないサプリメントの摂取
ビタミンB やビタミンE、 マルチサプリメントなど、いわゆる栄養補助食品は
いくら大量に摂取しても、これまでの臨床研究では認知症リスクを低くするという効果は見つかっていません。
サプリメント類を使うことはお勧めできません。
「脳トレ」と「脳活」
高齢者への認知トレーニング、いわゆる「脳トレ」は行っても構わないとされていますが、認知症リスクの低下と関連付ける確実なエビデンス (証拠) はありません。
もちろん脳トレで頭を使う習慣は良いことですし、有害な副作用もありません。 ただ、認知症の予防法として有効かというと疑問符が付くようです。
一方、お勧めできるのは「脳括」としての3つの生活習慣です。
①朝の日光浴
朝、太陽に当たることで分泌されたセロトニンは、夕方には睡眠を誘発するメラトニンの材料に変化します。
良い睡眠は、海馬から大脳皮質へ記憶を固着させる効果があります。
②口腔ケア 歯周病菌は慢性炎症を起こし、動脈硬化や認知症を引き起こすといわれています。 歯周病菌の怖さは長年の研究から確立された真実になっています。
いつまでも自分の口から食べられるように、口の中をきれいにすると同時に、おしゃべりをしたりして口を動かすことが大切になります。
しっかりと口腔ケアをすることが認知症を予防することに繋がります。
③運動プラス計算 コグニサイズ
ウォーキングなどをしながら足し算や引き算を同時に行うコグニサイズと呼ばれるものは認知症予防に効果があるといわれています。
認知症予備軍と言われる「軽度認知障害 MCI 」がコグニサイズによって40%改善したというデータもあります。
最後に一言
認知症になっても幸せに生きることは出来ます。
でも認知症にならないように考えうるあらゆる手法を使って備えておくことも
大切なことなのではないでしょうか。
認知症を予防するための新手法は見つかったのか?
新・認知症大綱を見てみたら 終わり