はじめに
人生100年時代 がやってくる
「人生100年時代」という言葉を最近よく耳にすると思います。
多くの日本人が100歳まで生きることが可能とされる時代を迎えつつあります。
それはつまり個人の人生設計も社会の仕組みも大きな変革を迫られる 時代を迎えたということです。全ての世代の人たちが自分のこととして捉え、考える必要がある時代がやって来たということになるのです。
誰もが100歳まで生きることが当たり前となる時代に備え、私たちは長生きに対する準備を求められることになります。
このブログを読んでくださっているあなたは、否応なくやってくる超・長寿社会のためにどんな準備をなさっていますか?
このブログサイトはそんな超・長寿社会に生きる私たちの様々な問題を見つけその対策を研究して行こうとするものです。
ブログの記事ごとにテーマは毎回違いますが、共通しているのは、高齢者の中でも特に単身者すなわち、「おひとりさま高齢者」といわれる人たちに焦点を当て、超・高齢社会をこれからたった一人でどう生き抜いて行ったらいいのかを考え、万全の準備をして行こうとするものです。
このブログサイトの掲載記事の執筆と管理は 「単身者の終活」専門の FP事務所 [FP office OHOTUKU56] のファイナンシャルプランナー [CFP®] のFPユウ です。
目次
人生100年時代の「ライフプラン3.0」とは何か?
私たちファイナンシャルプランナーは来るべき人生100年時代を生き抜く考え方をいつも皆様に提言させて頂いております。
今回は人生100年時代のマネープランについてです。
私たちは今ライフプラン3.0という考え方を提唱しています。
ライフプラン3.0という考え方
ライフプランというのはその名の通り人生を生きるための計画でありライフプラン3.0というのはまさに人生100年時代という新しい時代におけるライフプランの新しい考え方になります。
その前に、3.0があるのですから当然ライフプラン1.0や2.0もあります。
ライフプラン1.0の時代
まずライフプラン1.0というのは主に団塊世代とそれ以前の方たちの世代のライフプランのイメージです。
昭和の時代から最近までずっと長い間考えられてきたものです。
男性は就職したら一つの会社にずっと勤め続けて仕事に専念し( 終身雇用制度 )、
また女性は専業主婦として家事や育児に専念するという家庭内分業体制を取ります。
この頃は人の一生というのは70年から80年が標準で、老後が10年から20年程度という考え方でした。 60歳で定年退職し退職金を少しずつ取り崩せば後は年金でなんとかやりくりできるということでやってきました。
そんな時代の考え方がライフプラン1.0なのです。
ライフプラン2.0のスタイル
次にライフプラン2.0というのは バブル世代から団塊ジュニア世代にかけての人たちがこれから歩むであろうライフスタイルです。
人生は80年から90年を標準とする時代になり、老後は15年から25年程度を考える必要があるという、まさに今の平成後期までの時代の高齢化社会に則した考え方です。
65歳で定年を迎えたとしても老後が長くなったために使える退職金の額が少なくなり、そのため自助努力で老後資金の上積みをすることが必要になってきました。
女性も働くことが一般的になったものの、子育てを機にやむなく退職したり復職しようにも子供を預ける保育園が見つからず家計を圧迫したり、共働きを続けたとしても家事育児の分担がうまくいかなくなったりなど様々な軋轢が生じています。
おひとりさまと呼ばれる生涯未婚者 (50歳を過ぎても未婚の男女) やDINKS (共働きで子供のいない夫婦) といったライフスタイルも認められるようになりましたが、それに対する社会のセーフティネットやマネープランは十分に応えられていない 状態です。
つまりライフプラン2.0はライフプラン1.0からの脱皮を試みてはいるものの、それなりの限界も露呈しているのです。
ある意味で人生100年時代への過渡期ともいえます。
ライフプラン3.0の時代 はもう目の前に迫っている
そしてライフプラン3.0というのはまさにこれから必ず来る「人生100年時代」の
生き方や考え方になります。
定年が65歳で変わらなかったとしたら、人生は100歳まであるわけですから、人生100年時代には残りの人生のおよそ1/3すなわち25年から35年が老後ということになります。
このように老後は長期化しますのでとても退職金や年金だけでは足りません。
ライフプラン3.0ではライフプラン1.0と同じような認識ではとても老後の資産形成をすることはできないのです。 働く現役世代の長期化が予想されるからです。
つまり人生100年時代というのは、働く現役世代も引退後の老後もどちらも長期化するということなのです。
人生100年時代には70歳まであるいはそれ以上の年齢まで働くことは決しておかしな話ではありません。
ところがそれくらいの年齢まで働くとなると今までと同じ能力やキャリアでは通用しません。
人生100年時代にはこれまでと異なる能力が必要となります。
これからの社会は人工知能 AI の発達により仕事そのものが存在しなくなったりするといわれているため、今までのやり方を変えざるを得ない時代になっていくといわれています。
ライフプラン3.0の時代を生き抜くためには全く新しい次元での物事への対応など、これまでとは異なる新しい能力が求められます。
でもそれは間違いなくあなたが老後を迎える時に現実化する可能性が極めて高いのです。
平均寿命の延びと人生100年時代に見出すべきお金の価値とは
日本人の平均寿命はかなり延びています。
先日、厚生労働省から発表された2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09歳、
女性87.26歳となり、ともに過去最高を更新しました。
今、現役で働いている世代が老後を迎える頃、平均寿命はさらに延びていることでしょう。
人が高齢化する、高齢者が増えるというのは平均寿命が長くなり一人一人が長生きするようになったということの結果に他なりません。
だとすればもし平均寿命と老後が10年延びたとしたならば、働く期間を延長して
引退年齢を後ろ倒しにしなければならないということになります。
人生100年時代への対応ができていないままセカンドライフに突入してしまうと、30年から35年の長い老後を生き抜くというのは無謀というよりかなり絶望的なことになってしまいます。
そんな中で人生100年時代に使われるお金は住むことや食べること以外にも何かもっと自分が満足するものに使われていくのではないかと思います。
例えば人との交流や今まで未知だったことを体験すること、あるいは新しい趣味や新しい物事に感動することなどにお金が使われていくことでしょう。
これを機に100歳の人生を意識して新たな気持ちでライフプランとマネープランを組み立ててみませんか?
人生100年時代の働き方の新常識
人生100年時代のビジネススキル
人生100年時代にはどう自分のビジネススキルやビジネスキャリアをコントロールしていくかを知ることも大切です。なぜなら現役で働く期間が長くなるからです。
現在は定年年齢も年金支給開始年齢に合わせて65歳まで延びました。
だったら70歳まであるいはそれ以上の年まで現役で働くことについては何の不思議もありません。
大学を出て70歳まで現役で働くとすると人生100年時代においては、その人生の
約半分の50年を現役で働くということになります。
ビジネススキルを常にアップグレードしておく
この50年間に日本人の平均余命は10年以上延びました。
しかし就労期間はそれに見合うようには延びてはいません。
平均余命が延びた分、ほぼ老後期間が延びているような状態です。
現在の日本の社会保障体制においては、65歳から約35年もの長期にわたって社会
保障制度が全面的に国民を支えることは極めて困難であり、 現役を引退せずに働き続けることが必須要件です。
なぜなら個人が約35年の長きにわたって老後の生活余裕資金を確保することは非常に難しいことだからです。
社会保障制度としての公的年金は引退後の生活の最低限度の日常生活費を保障するものですが、ただそれだけで老後の全部の期間の必要資金を賄えるわけではありません。
老後期間が35年もあったら当然老後費用が足りなくなりますので、現役を引退せずに働くしかありません。働き続けて余裕のある老後資金を蓄えなければなりません。 つまり現役時代を延長するしかないのです。
しかし現役時代を延ばしたとしても、何の仕事をして働き続けるのかという問題が残ります。
50年もの長期間安定して働ける職種もなければ、50年のもの間全く陳腐化しないようなビジネススキルはおそらくはそんなには無いからです。
最近の AI 人工知能の出現によってそれは明らかだと思います。
私たちが今使っているIT 社会における基本のビジネススキルは 今後世の中が進歩していくにつれてどう変革していくかわかりません。
今使っているビジネスツールよりさらに進化したものが世の中に現れてくるでしょう。
学校で学んだ知識や今まで習得したスキル以外の新しい能力を習得するという意識がなければなりません。
でもそれ以上に考えなければならないのは自分の働き方そのものも柔軟に変えてゆくというような発想です。
かつての人気業種と今の人気業種は大きく様変わりしました。
もしかしたら今はまだ存在しないような業種の企業が未来の成長分野を切り開き、たくさんの雇用を創出するかもしれません。
その時その時代に応じた新たなビジネススキルを身につけているかどうかが問題となるのです。
かつては転職35歳限界説というのがありましたが、人生100年時代においては転職は60歳になっていても十分に成立すると思われます。
今までの自分の使えるビジネススキルは生かしつつ、今持っていない新しいビジネススキルを習得することも厭わないような努力する姿勢がなければ60歳を過ぎてからの転職は成功しないでしょう。
国も政策として新しい社会に応じた新しい職業訓練を行い新しい業種への雇用を広げそのためのスキルを習得させようと考えています。
そんな時代ですから個人も意識を変えていかなければなりません。
まとめ
人生100年時代における働き方の意識改革
現役世代が延長され、働かなければならない期間が延びることになるのは確実なので、 それに十分対応できるような新しいビジネススキルを身につけておくことが一番大切なことです。
私はもう年をとっているからとか、シニア世代だから無理とか、高齢者だから新しい知識は覚えられないとか、難しいことは身につかないだとか、自分を否定して現実から逃避し、新しい世界に対応できない人間は間違いなく淘汰されて悲惨な人生を送ることになるでしょう。
積極的に新しい世界に対応できる能力・スキルを身につけようと努力する者だけが勝ち残れることになると思います。
それが人生100年時代における生き方・働き方であると私は確信しております。
人生100年時代のマネープラン ライフプラン3.0と働き方の新常識 おわり