2040年(21年後)の日本 膨張する社会保障費と増える単身世帯リスク

2040年(21年後)の日本 膨張する社会保障費と増える単身世帯リスク

[2019年4月 追記補正最新版]

最新情報です。
2019年4月19日、今から21年後の2040年の日本の姿が明らかになりました。
国立社会保障・人口問題研究所が2015年の国勢調査に基づく2040年までの都道府県別世帯数の将来推計結果を公表したのです。

全国の総世帯数

2040年の日本の全世帯数は5075万世帯で、2025年の5411万世帯をピークに減少傾向になるだろうと推計されています。

全国の単身世帯の比率

一人暮らしの単身世帯の割合は、2015年の時点で東京や大阪などの大都市地域で高く、地方では低い傾向がありましたが、2035年に全ての都道府県で3割を超え、2040年には全国で1994万世帯で約4割にも達すると推計されました。
大都市地域だけではなく地方にも単身世帯が広がっていくという見通しになったのです。

これは全国的に未婚の男女が増えており、首都圏や地方の中核都市では若い世代の一人暮らしが増えていく一方で、過疎地域では高齢の一人暮らしが多くなっていくことによるものです。

高齢世帯の比率
公表された世帯数の将来推計によると、2040年には世帯主が65歳以上の高齢者世帯が2242万世帯となり、日本の全世帯の44.2%を占めることがわかりました。 その理由は第2次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア」世代が高齢者となることによるものです。

高齢世帯に占める単身世帯の比率

65歳以上の高齢世帯のうち一人暮らしの単身世帯は、2040年には全国平均でちょうど4割に達する見込みとなりました。
全都道府県のうち15の都道府県で4割を超えると推定されていますが、東京や大阪などの大都市部の割合が45%を超えており比較的高いのはもちろんですが、高知県や北海道などの地方でも4割を超えていくと推計されています。

一人暮らし高齢者の増加スピードは急激に増しており、「見守り」や「介護」または「日常生活上の支援」など、地域での支援策が必要になると見られています。 いずれにせよ何らかの対策は急務であると指摘されています。

政府の推計では2040年度医療や年金などの社会保障給付費約190兆円と、2018年度に比べ6割近くも増えることになります。
そうなると、医療・福祉の分野で必要な人材が確保できなくなる恐れがあります。

「人生100年時代」を見据えた働き方や社会保障制度の見直しが急務となってくるでしょう。

(図表引用:日本経済新聞)

はじめに

人生100年時代 がやってくる

「人生100年時代」という言葉を最近よく耳にすると思います。

多くの日本人が100歳まで生きることが可能とされる時代を迎えつつあります。

それはつまり個人の人生設計も社会の仕組みも大きな変革を迫られる 時代を迎えたということです。

誰もが100歳まで生きることが当たり前となる時代に備え、私たちは長生きに対する準備を求められることになります。

このブログを読んでくださっているあなたは、否応なくやってくる超・長寿社会のためにどんな準備をなさっていますか?

このブログではそんな超・長寿社会に生きる私たちの様々な問題を見つけその対策を研究して行こうとするものです。 

ブログの記事ごとにテーマは毎回違いますが、共通しているのは、高齢者の中でも特に単身者すなわち、おひとりさま高齢者といわれる人たちに焦点を当て、超・高齢社会をこれからたった一人でどう生き抜いて行ったらいいのかを考え、万全の準備をして行こうとするものです。

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2040年の日本 膨張する社会保障給付費と高騰する介護保険料

 [おひとりさま単身高齢者] 終活を専門に相談させていただいているファイナンシャルプランナーである筆者のもとに、最近ご近所に住む74歳のある女性単身高齢者の方がみえられ、「将来の社会保障制度の問題について非常に不安で心配なんです」とのご相談を受けました。受け取る年金が減るだけではなく、「今以上に負担が増えそうでとても不安」なんだそうです。 

今回はこの方の心配と疑問に答えつつ 、近い将来の日本の社会保障制度がどうなっていくのか、現実を直視し私たち個人個人ができる対策を考えていきたいと思います。

2040年度の社会保障費用推計

つい最近政府が2040年度社会保障費用推計なる数字を公表しました。     作成したのは政府の諮問機関「経済財政諮問会議」です。

今から21年後2040年には高齢者人口がほぼピークに達し介護や医療、子育て
支援、年金
を中心に社会保障の費用がほぼ190兆円に膨らむだろうという推計数字が出ていたのです。 

なぜ2040年かと言うと、2040年にはいわゆる団塊ジュニア世代と言われる人たちが老後を迎えるからです。 これまでは団塊の世代が75歳以上になる2025年問題が社会保障改革の要点でしたが、今回初めて人口構造が激変する時期である2040年に焦点を当てた数字が発表されたのです。 

204065歳以上の高齢者人口は4,000万人近くにまで増え総人口のおよそ1/3を 超えて来るそうです。

その一方で15歳から64歳まで生産年齢人口、いわゆる現役の働き手は約6,000万人2018年度より約1,500万人減り、税や保険料を負担して社会保障制度を支える就業者数も約930万人も減ると予測されています。

重い社会保障費負担に現役世代が苦しむという近未来図がはっきりと目に浮かぶようです。

社会保障費のうち特に介護費用は高齢者数の増加で2.4倍約26兆円に膨らみむものと予想されています。
また介護サービスが必要な人の割合は年齢とともに上昇し85歳を超えると5割を超えてきます。 

それに伴い高齢者の支払っている介護保険料が現在全国平均で月額5,900なのが団塊の世代が全て75歳以上となる2025年度には全国平均で月額約7,200円になる見込みであり、さらに2040年度には月額約9,200円に跳ね上がるだろうという
見込みが立っているのです。  驚くことに今の約1.5倍の金額です。

 

医療分野の費用も2040には68兆5000億円と2018から比べると75%も増える見込みです。 2040頃になると85歳以上の人口は1000万人を超えてきますので現在の2倍以上になる見込みです。

 

このように現役世代だけではなく、高齢者の家計の負担も重くなり限界が近づいてきています。 年金だけで他に収入のない高齢者たちは一体どうしたらいいのか、どうやって生きていけばいいのか、高齢者の皆様の嘆きが聞こえてくるようです。

社会保障給付費を増額せざるを得ない原因

医療や介護、保育などの社会保障給付費を増額せざるを得ない原因は、医療や介護保育に従事する担い手たちが不足しているからです。
担い手たちほとんどが介護職2025年度には約34万人の介護職が不足する可能性があると言われており、今よりおよそ1.5倍約245万人ほどの介護人材が必要になりそうです。

少子化の影響で働く世代がどんどん減っていくなか、特に給与の割に仕事がきついと見られている介護職は敬遠され人材不足がさらに懸念されます。
介護分野に人材を集めるには給与を上げる必要があり、これも給付費を増やす要因になっているのはよく知られた事実です。 

介護職不足の根本的解決には程遠いのですが、実際に地方のある介護施設では数年前から地域の高齢者らに介護助手として働いてもらっているそうです。
シーツ交換や配膳などの簡単な仕事が中心で2017年度には全国37施設で合計約200人ほどが働いているそうです。

また介護だけではなく少子化対策により保育の部分つまり子育て関係の給付が伸びることが確実で、より一層の負担を強いられそうです。
子育て関連の給付が現在より伸びていくのは2020年度末までに待機児童の解消を
目指す子育て安心プラン幼児教育・保育の無償化による支出の増加が影響したためです。

また社会保障費といえば忘れてはいけないのが年金給付です。
2040年度には73.2兆円に増えるのですが、給付費全体に占める割合は下がるため給付水準が下がり生活に困窮する高齢者が増加することが予想されます。 

これは年金だけで生活する高齢者にとって最悪の事態です。
なぜ給付水準が下がるのかというと、そもそも保険料を納める現役世代が減少したことに加えて、給付水準を自動的に引き下げるマクロ経済スライドというシステムが働くからです。

そのようなわけで国民の間には今漠然とした将来不安が広がっています。
それが消費支出を低減させデフレ脱却を困難にしているのです。

そこで私のところに訪ねて来られたご近所の高齢者の方の不安を解消するために、2040というそう遠くない将来を見据えた、 私どもファイナンシャルプランナー[FP] からの提言をしたいと思います。

社会保障費を抑制するための私どもFPの提言

1 . 社会保障費の膨張を可能な限り抑制するための手法として、医療と介護の連携を強化して、従来の入院中心の医療から在宅中心の医療へと転換することが良いのではないかと思われます。 なるべく終末期自宅で過ごすようにしましょう。

2 .  医療の分野では診療報酬を少なくすること、ジェネリック (後発医薬品) を使うこと に加えて、住民が地域のかかりつけ医を選んで登録し、薬の出しすぎや病気予防につながるような努力をしてみるといいと思います。

3 . 介護の分野ではなるべく要介護者にならないように普段から予防することに留意し、健康寿命を延ばすようにしましょう。

4 . 膨らむ給付費を負担するのに現役世代にばかり頼らず、高齢者を含めた全世代が経済力に応じて負担するようにすることです。
社会保障制度を支えるために働き方改革を進め、女性や高齢者でも生き生きと働くことのできる社会を作り上げるようにしましょう。
年齢に関係なく働いている間は年金の保険料を支払える制度に改めましょう。

いずれにしても医療や介護サービスを利用する高齢者の自己負担を引き上げざるを得ないのは仕方のないことだと思います。

今まで自分より若い世代に支えられてきた高齢者たちが今度は自ら支える側に回らなければならないという環境の変化が求められてきているのです。

2040年の日本 おひとりさまが標準世帯になります

今回政府が発表した2040年度将来推計には 社会保障費だけではなくもう一つ 大事な推計値があります。

それは単身世帯つまり「おひとりさま」と呼ばれる一人暮らしの世帯が全体の約40%にもなると予想されているということです。
1980には20%に過ぎなかった単身世帯は現在では35%になりそれが2040には39%に上昇するということが予測されています。

家族の単位としては「夫婦と子供」や「夫婦だけ」の世帯を上回り、最大の勢力となりました。  もはや単身世帯でいることが当たり前の時代になりました。
「一人暮らし」を標準世帯とみなす時代が到来したということです。 

不思議な「標準世帯」の決め方

よく財務省消費税率を上げたり所得税減税をしたりしたい時、 実際に年間いくら税金が増えたり減ったりするのか試算してみることがよくありますが、 この時使われる例が未だに「夫婦に子供2人」という標準世帯での試算なのです。
これだとまるで昭和40年代の高度経済成長期のご家庭の場合の試算です。

なぜ「単身世帯」「夫婦共働き世帯」が税額試算の例とならないのでしょうか ?

また厚生労働省厚生年金の標準的な受給額を例に出す時、会社員の夫と専業主婦の妻」の家庭の場合標準世帯として試算を出してきます。
女性が会社に雇われて働くのが当たり前となった現代において専業主婦がいる家庭だけを例に出してくるのは本当に現実とズレています。 

なぜ「単身世帯」「夫婦共働き世帯」が年金試算の例とならないのでしょうか ?

この記事の執筆者である私自身が「単身者」であることから、以前からずっとこのことを疑問に思っていました。
これらははっきり申し上げて事例を作ってくる各省庁の役人たちの怠慢偽計にほかならないと思います。数字のごまかしです。

年金の場合だと現役時代に支払った保険料負担の総額に対する引退後の年金受給額を大きく見せるためのトリックです。
だって専業主婦というのは夫の扶養者として扱われているために、年金保険料を
1円も支払っていないのですから。
(こんな専業主婦のことを3号被保険者といいます。)

一人暮らし世帯が標準化する背景にある未婚者の急増

一人暮らし世帯が標準化する背景にあるのが未婚者の急増です。
生涯未婚者と言われる、50歳を過ぎても一度も結婚したことのない人たちが急増しているのです。 男性の場合だと生涯未婚率は今では20%を超えています。


いわゆる結婚適齢期を迎えた世代が結婚せずに未婚でいることを選択する人が増え、時を経て50代以上未婚者の急増となって現れているのです。

そして今後2040年頃になると、この生涯未婚者層の中心となるのが75歳以上の「後期高齢者」と言われる世代になってくるのです。

こうして日本には晩婚化・未婚化・出生率低下・離婚率上昇・単身世帯増加という悩ましい現象が起こっているのです。

おひとりさまが一番恐れる悩み 認知症の恐怖

そうなってくると心配されるのが高齢単身者の人たちを襲うあの悩みです。
そうです、自分が認知症を発症してしまう可能性があるということです。
これは高齢単身者の方達にとっては大変な恐怖です。
私も単身者ですからよく実感できます。  

65歳以上の認知症患者は2035年には920万人程度に増加する恐れがあると予測されています。 実に65歳以上の高齢者の1/4にもなります。

問題提起をさせていただきます。

もしもあなたが高齢の単身者で、なおかつ認知症を患ってしまったとしたら
どうなさいますか?

そして、あなたの周りにあなたを認知症患者としてお世話をしてくれる家族が
誰もいないとしたらどうなさいますか?

今このような現状を変革すべく日常生活に入り込み始めているのが 人工知能AIです。  心身や認知機能が衰え始めた高齢者の皆さんを救うシステムとして 機能し始めています。 見守りロボットなども知られるようになってきました。

しかし残念ながら現在ではまだ、人工知能やロボットがすべての高齢者の方たちをカバーできるわけではありません。 何より導入コストがかかり過ぎます。

問題提起への回答のひとつ それが任意後見制度です 

そこでもう一つ単身の認知症患者の暮らしを支えてくれる制度があります。
それが成年後見人制度です。

認知症患者の暮らしを支える成年後見人は患者名義の銀行口座を開いたり、患者の日常に必要なお金を引き出したりすることができます。

成年後見制度には二種類あり、家庭裁判所後見人を決める場合は、これを法定後見といいます。

でも法定後見すでに認知性になってしまった人を援助する最終的な手段であって、本来最も大切なことは認知機能が衰える前に、仮に認知症を患ってしまったときのことを考えて対策を立てておくことです。


認知症を患ってしまったときに高齢単身者の貴重な財産を守るために、そして 金融
資産を死蔵させないために、認知症を患う前の健常な頭脳でいる時に、あらかじめどなたか信頼できる人物 に後見人になっておいていただくのが 最善の方法だと思われます。

これがもうひとつの任意後見といわれる制度です。

あらかじめ自分が選んだ人と任意後見契約を結んでおくのです。

任意後見を誰に頼んだらいいの?

その任意後見人を誰にしたらいいのか迷うところですが、 単身者であっても信頼できる家族・親族がいらっしゃるという場合には その方になっていただけるか確認しておくとよろしいかと思います。

でももし誰も家族や身内に後見人になっていただける方がいらっしゃらない場合には信頼できる他の知人の方でも構いません。

その方に任意後見人になっておいていただくのが最善の方法です。

この場合の知人である任意後見人のことを一般的に市民後見人ということがあります。

認知症を患ってから後に裁判所で法定後見人を選ばれるよりは、認知症を患う前に任意後見人を選んでおくほうがはるかに単身者にとっては良い方法です。

信頼できない人物が法定後見人になっても困りますし、認知症の人本人には裁判所が選んだ人物に対し嫌と言えるだけの意思能力はありませんから当然です。

高齢単身者になればなるほど認知症への不安が高まってきます。

ですから、あらかじめ信頼できる方に任意後見人になっていただけるよう頼んで

きましょう。

もしも自分の身の回りにどなたも任意後見人になっていただけるような方がいらっしゃらないというのであれば、私どもプロの専門家にご相談ください。
きっとお役にたてるかと存じます。

お知らせ

成年後見人制度の詳しいことについては別のブログ記事でも詳細を記述しております。

記事の最後 一番下にある関連記事↓ こちらも合わせてご覧になってみて下さい。

孤独な人が増えている理由

単身世帯が増えているということは孤独な人たちが増えているということでもあります。
孤独な人が増えている理由として高齢化によって一人で暮らす時間が長くなってきていること、そしてデジタル化が進み人と人とが直接触れ合う機会が減ってきていることが挙げられます。

OECD の調査によると友達や同僚と過ごす時間があまりないと答えた男性の割合は日本がトップなのです。
人との関わりが少ないと認知症や要介護状態に陥る人の数が増えていくことが分かっています。

孤独が健康を蝕みそれが医療や介護費の増加をもたらしています。
医療や介護費が増えれば社会全体でそれを負担することになってしまいます。

単身世帯が増えていることの遠い原因である孤独」。

孤独な人をどう減らすか 日本国民みんなで考えることが避けられない時代になってきていると思います。 みなさんはどう思われますか?

2040年(21年後)の日本 膨張する社会保障費と増える単身世帯リスク
終わり

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